【ネタバレ】『The Last of Us Part II』ジョエルの展開、決断の背景とは ─ クリエイターが語る

傑作サバイバルアクションの決定版『The Last of Us』の続編『The Last of Us Part II』が2020年6月19日に発売された。前作の主人公ジョエルを巡る展開について、クリエイティブ・ディレクターを務めたニール・ドラックマンが公式ポッドキャストにて語っている。
この記事には、『The Last of Us Part II』のネタバレが含まれています。

『The Last of Us Part II』は、謎の感染爆発によって荒廃したアメリカで、娘を失った主人公ジョエルと、免疫を持つ少女エリーの危険な旅路が描かれた前作から5年後が舞台。エリーはジョエルと共に、ワイオミング州ジャクソンで平穏な日々を過ごしている。しかし、ようやく取り戻したエリーの平和を一瞬にして崩壊させる凄惨な出来事が起こる。ジョエルの死だ……。
もっとも当初、ドラックマンは“ジョエルの死”を描くのではなく、“エリーの免疫”にまつわる物語を構想していたのだという。
「エリーをどんな状況に直面させるべきなのか。例えば、他にも免疫を持っている者がいると聞いて、探しに行く旅に出るとしたら……。脚本の観点から見ても面白いとは思いました。惹きになる予期せぬ出来事や展開、そこから様々なファンサービスを届けることも出来ますしね。ジョエルはエリーを追いかけて、協力することになり、やがて、嘘が浮き彫りになっていくでしょう。ただ、どこか一作目で成功した、核となる普遍的な愛が存在しないように感じてしまって。親が子供に対して思う無条件の愛を感じさせることは出来るだろうか?それが無ければ……それでも、刺激的な物語にはなるかもしれませんが、一作目にあった感情を捉えることは出来ません。」
そもそも、ドラックマンは続編を製作するにあたって、「私の中で、ジョエルの物語は語り尽くしたと考えていました。これ以上に何を描くべきなのか、私には思い付きませんでした。ただ、エリーには語るべきことがあったんですよ」と語っていた。試行錯誤の結果、ドラックマンは“憎しみ”という題材に辿り着いたのだ。「全ての人々が経験する普遍的な感情こそ、深い憎しみです。それは、心の中で他人に残酷な行動を取ることさえ厭わないというものですね。では、精神が負のスパイラルに陥る中、そこから得られるものはあるのでしょうか?」。
その問いかけに対する答えは、心と身体を揺さぶるエリーの復讐、またアビーの物語の先に待ち受けていた結末にあったのではないだろうか。ドラックマンがそのために選んだ展開こそ、“ジョエルの死”だったのだ……。
▼『The Last of Us Part II』の記事
『ワールド・ウォーZ』続編、「やらなくてよかった」とデヴィッド・フィンチャー監督 ─ 「THE LAST OF US」と内容が被っていた? ホッとしてる感じ ハリウッドのストライキ終結後、制作再開される作品はどれ?「ストレンジャー・シングス」『ワイスピ』など、各スタジオ最優先タイトル計画 ハリウッド再開へ 「THE LAST OF US」の「神回」第3話を振り返る ─ 「涙を流さないシーンにしよう、と伝えたが、しかし無理でした」 名エピソード 第75回エミー賞ノミネート発表まとめ ─ ポイントは「IPのさらなる台頭」 授賞式は9月19日 「THE LAST OF US」エリー役ベラ・ラムジー、歴史映画で主演決定 ─ 全身が毛で覆われる症状に苦しむ役 難しい役どころ
Source: Collider