『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』31歳の気鋭ジョナサン・メジャースに注目、『ザ・ファイブ・ブラッズ』など話題作の出演相次ぐ

注目の映画スタジオA24、ブラッド・ピット率いる製作会社プランBが『ムーンライト』(2016)以来のタッグを組む『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』が2020年10月9日(金)より全国公開される。本日9月7日は、本作に出演する気鋭の俳優ジョナサン・メジャースの31歳の誕生日。ハリウッドで注目度と存在感を増し続けるジョナサンの仕事ぶりを振り返ってみることにしよう。

1989年9月7日生まれのジョナサン・メジャースは、大学時代に演技を学んだのち、2017年にドラマ「When We Rise(原題)」で俳優デビュー。『荒野の誓い』(2017)でクリスチャン・ベール演じる主人公の部下を演じ、『ホワイト・ボーイ・リック』(2018)に出演するなど、映画通好みの作品に連続して登場した。2020年に日本公開された『囚われた国家』では主人公の兄というキーパーソンを、スパイク・リー監督作『ザ・ファイブ・ブラッズ』でもメインキャストの一員としてデイヴィッド役を演じている。
ジョナサンが『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』で演じているのは、主人公ジミーの親友・モント役だ。新たに公開された写真では、鉛筆を耳に掛け、赤いノートを懐に忍ばせる姿や、渾身の一人芝居の様子が収められている。モントは時間があれば、ジミーや近所の人々、サンフランシスコの街並みをノートに描き、芝居の台本を書き込んでいる。仕事の合間には埠頭で芝居の練習をしているほか、自室には衣装や小道具が所狭しと置かれているのだ。

モントはジミーを自宅に居候させ、“かつて家族と住んでいた家を取り戻す”という想いを応援する。ジミーに寄り添い、支える、かけがえのない存在だ。ジョナサンはモント役を演じるため、主演のジミー・フェイルズと2週間の共同生活を実施。ジョナサンと暮らした時間について、ジミーは「彼がどんな役作りをして、役者として何を考えているかを聞けたのは大きい。作品にどれだけ身を捧げるか、朝食に何を食べて、どんなルーティンを行っているかを知ることもできました」と語っている。「2人の距離も縮まりましたよ。一緒にサンフランシスコを探索して、新しい発見もできました」。
なお2020年、ジョナサンは、『スター・ウォーズ』のJ・J・エイブラムスと『ゲット・アウト』(2017)で知られるジョーダン・ピールが製作総指揮を務めるHBOドラマ「ラブクラフト・カントリー」で主演を務めている。同作は2020年内に日本国内でも放送・配信予定(関連記事はこちら)、ますます今後の活躍から目が離せない。
『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
米サンフランシスコで生まれ育ったジミー(ジミー・フェイルズ)は、祖父が建てた、家族と暮らした記憶の宿るヴィクトリアン様式の美しい家を愛している。しかし家主はある日、変わりゆく街の観光名所となっていたその家を手放すことにした。人の手に渡った“我が家”に再び住むことを願って奔走するジミーを支えるのは、親友のモント(ジョナサン・メジャース)だ。今や“最もお金のかかる街”となったサンフランシスコで、ジミーは心の在り処を取り戻すことができるのか……。
生まれ育った場所が面影も残らないほど変化することで、大切な記憶が上書きされ、自分のアイデンティティまで否定されてしまうような感覚。それは一見パーソナルな物語でありながら、今や世界中で起きつつある問題だ。本作はサンダンス映画祭で監督賞・審査員特別賞に輝いたほか、世界各国の映画祭で高い評価を受け、バラク・オバマ前米大統領が選ぶ2019年のベストムービーにも選出された。
映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は2020年10月9日(金)より新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国ロードショー。
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