「ロキ」シーズン2、なぜマクドナルド? ─ きっかけはシルヴィ役の冗談だった

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)ドラマ「ロキ」シーズン2では、世界的にお馴染みのハンバーガーチェーン、マクドナルドが登場する。しかも、ロキの変異体であるシルヴィは店員になっているではないか。
製作総指揮を務めるケヴィン・ライトによると、征服者カーンの変異体「在り続ける者」を倒したシルヴィの行き着いた先がマクドナルドだったことについて、ひょんなきっかけがあったという。米Colliderでシーズン1の撮影当時を振り返っている。
「確か、シーズン1の(製作の)最後に、ソフィア(・ディ・マルティーノ、シルヴィ役)と会話をしたんです。撮影最終日だったかな、シタデル(時の終わり)の階段にみんなで座っていて、キャストの方々にシーズン2について聞いてみたんです。“この後、シルヴィはどこに行きたいと思う?”と。彼女は冗談混じりに“多分お腹が空いているんじゃないかな”って言いました。」
会話から数ヶ月後、「ロキ」の脚本家たちはシーズン2の脚本作業をスタート。本格的にシルヴィの居場所を検討する話し合いが行われた。「そこで、“これは面白いぞ”っていうアイデアが浮かんできたんです」とライト。「Roxxcartにいる時、シルヴィは昼休憩から帰ってきた従業員がマクドナルドの袋を持っているのを見て、“私も試してみたい”って思ったんじゃないかって」。Roxxcartとは、シーズン1で登場した大型スーパーのこと。ロキとシルヴィが対面した場所だ。

ソフィアの冗談に着想を得てマクドナルドの登場を決めた製作陣は、さっそく企業にアプローチをかけた。ライトによると、最終的には劇中で企業名や商品名(商標)を表示させる広告手法であるプロダクトプレイスメント契約が結ばれ、マクドナルド公認での製作が決定したという。
撮影の準備にあたっては、マクドナルド側も全面協力。ライトいわく、「背景に見える不気味なリンゴの木やハンバーグラーの像は、収蔵専門の職員がオークションや所有していた個人から探し出した」ものとのこと。ロンドンの郊外にあった老舗のインド料理店を改装し、1980年代のマクドナルドが再現されたという。
マクドナルドは、視聴者のノスタルジックな感情を呼び起こす上で効果的なチョイスだったようだ。ライトは「“あれ覚えてる。あそこでパーティしたよね。あれもこれもした。小さな街で過ごすってこういうことなんだよ”と、視聴者のみなさんも思ってくれる物語を容易に伝えられると思いました。」と語っている。「マクドナルドも完全に乗り気で、私たちがからかってやっているのではないと分かってくださっていました」。
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Source: Collider