ドラマ版「ロード・オブ・ザ・リング」莫大な予算は「巨大な世界観構築」のため ─ スタジオ幹部が自信

J・R・R・トールキン著『指輪物語』を原作とする、ドラマ版「ロード・オブ・ザ・リング(原題:Lord of the Rings)」は、莫大な制作費が注ぎ込まれた大作シリーズとなる。予算はピーター・ジャクソン監督が手がけた映画シリーズ3部作を優に上回り、それだけの高いクオリティと大きなスケールが期待されている。そんな中、本シリーズに巨額を投じ配給権を獲得したAmazon Studiosの幹部ジェニファー・サルケが自信を米The Hollywood Reporterに語った。
ドラマ版「ロード・オブ・ザ・リング(原題:Lord of the Rings)」に投じられた制作費は、シーズン1だけで4億6,500万ドル。日本円にして500億円を超える。ピーター・ジャクソン監督による映画版3部作の予算は2億8,100万ドル(約305億円)。映画版は3作同時に撮影が実施されたこともあり、諸々のコストカットが予算節制に繋がったこともあるが、これを鑑みてもドラマ版にかけられた制作費は遥かに莫大である。
2020年4月、Netflixが『ナイブズ・アウト』第2&3作の配給権を、配信作品史上最高額に値するという4億6,000万ドル超で獲得したことが、ストリーミング市場の成長と規模の拡大を示すものとして注目を浴びたが、同規模の契約を「ロード・オブ・ザ・リング」で交わしたAmazon Studios。幹部を務めるサルケも「『ナイブズ・アウト』の契約でお知りいただいたように、市場はすごいことになっています」と話している。こうした認識を踏まえた上で、サルケは「ロード・オブ・ザ・リング」での自信を見せる。
「今作は、長い時間を通して巨大な世界観を構築するものです。額だけ見ると(ニュースの)見出しはホットでクレイジーで、クリックしてみたくなると思います。だけど実際には、シリーズ全体を維持するための基盤を構築するのに必要なんです。[中略]どれくらいの数の人が『ロード・オブ・ザ・リング』を観なければいけないか?たくさんですね。世界中の視聴者が人気番組として(本作を)観てくれなければいけません。私たちもそれを実現させる自信がかなりありますよ。」
スタジオ側は本シリーズの複数シーズン化をすでに構想している模様。既報によれば、今後5シーズン分の撮影がシーズン1の撮影地でもあるニュージーランドで行われる可能性があるというのだ。加えて、スピンオフ企画などのフランチャイズ拡大も視野に入れているというから、製作側の並々ならぬ気合いが伝わってくる。サルケいわく、Zoom上で行われた本シリーズの配給権入札会の場では、熾烈な争奪戦を繰り広げられたというから、やっとのことで手に入れた本シリーズに懸ける思いがなおのこと強いはずだ。
Source: THR