『ロード・オブ・ザ・リング』新作映画が始動、複数作品を製作へ ─ ピーター・ジャクソン監督らも話し合いに参加

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの新作映画(タイトル未定)を、米ワーナー・ブラザースが企画していることがわかった。デヴィッド・ザスラフCEOが、2023年2月23日(木)に開かれた収支報告会にて明らかにした。
発表によると、このたびワーナーは、J・R・R・トールキンの原作小説『指輪物語』の映像化権・商品化権などを有するEmbracer Group/Middle-earth Enterprisesと複数年にわたる契約を締結。映画版『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』3部作を手がけた、ワーナー・ブラザース傘下のNew Line Cinemaとともに複数の長編映画を製作する計画だという。
ワーナーは『ロード・オブ・ザ・リング』3部作を2001年~2003年に、前日譚の『ホビット』3部作を2012年~2014年に発表した。今回の新作企画は『ホビット』の完結から10年越しのもの。ワーナーは同じく前日譚となるアニメ映画『ロード・オブ・ザ・リング:ウォー・オブ・ロヒアリム(原題)』を2024年4月12日に米国公開予定だが、これらの作品と新作が具体的な繋がりを持つかどうかはまだわからない。
現時点で企画に関与している脚本家・監督はいないと報じられているが、過去の映画版を手がけたピーター・ジャクソン監督と脚本家のフラン・ウォルシュ&フィリッパ・ボウエンは、すでにワーナーとEmbracerから「あらゆる段階で情報を共有されている」とのこと。「このフランチャイズを展開していくビジョンについて、今後話し合えることを楽しみにしています」との声明からは、3人が何らかの形で企画に参加する可能性もうかがえる。
2022年にMiddle-earth Enterprisesを買収したEmbracerのリー・ギンチャードCEOは、ワーナー&New Lineとの「新たな協力関係の旅を始められることに興奮しています」とコメント。「J・R・R・トールキンによる唯一無二の世界を新たな形で、エキサイティングな形で再び映画化する」「過去に敬意を払い、未来を見つめ、作品のクオリティと価値を最大限に高めることにこだわる」計画だと述べた。
ワーナーの映画部門を統括するマイケル・デ・ルカ&パメラ・アブディも、過去の焼き直しではなく、トールキンによる『指輪物語』の新たな側面を開発することに意欲を示している。
「20年前、New Lineは『指輪物語』の素晴らしい物語とキャラクター、世界観を大スクリーンに具現化する前代未聞の挑戦に踏み切りました。その結果、世代を超えてファンに愛される巨大な映画シリーズが生まれたのです。これらはあらゆる視野とディテールが愛情深く収められた2つの3部作ですが、しかしJ・R・R・トールキンが思い描いた広大かつ複雑、まばゆい世界には、まだ映画で描けていない部分がたくさんあります。映画版の中つ国にファンの皆さんをより深く誘えることを光栄に、そしてMiddle-earth EnterprisesとEmbracerとの協働を楽しみに思います。」
なお『指輪物語』の実写作品には、Amazon製作のドラマシリーズ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」(2022-)がある。同シリーズは中つ国の“第二紀”を描くストーリーだが、ワーナーが権利を持つのは、映画版『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』でおなじみのキャラクターが登場する“第三紀”の映像権。それぞれの作品が干渉し合うことはないとみられる。「力の指輪」にピーター・ジャクソン監督らは参加していない。
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Source: Variety