ルーカスフィルム、「スター・ウォーズ」への女性監督起用に熱意 ― 「実現するでしょう」幹部が語る

「スター・ウォーズ」に女性監督が起用される日は決して遠くないかもしれない。
シリーズの製作を統括するルーカスフィルムの幹部であり、数々の映画でVFXを担当する米インダストリアル・ライト&マジック社の会長を務めるリンウェン・ブレナン氏が、英WalesOnlineにて語った。
ルーカスフィルム、そしてVFX業界の男女比率
2016年11月、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)で「スター・ウォーズ」シリーズの拡張が図られた際、ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長は「いつ女性監督に「スター・ウォーズ」を撮ってもらうかを見極めたい」と話していた。監督や脚本家、プロデューサーに至るまで白人男性ばかりだと指摘される同シリーズにおいて、女性の起用は、現代のハリウッドに対応するための重要なポイントとして捉えられていたはずだ。
リンウェン氏によれば、現在ルーカスフィルムは「スター・ウォーズ」への女性監督起用について「非常に熱心に取り組んでいますし、(業界には)素晴らしい監督たちがいる。実現するでしょうね」と述べている。幹部級の重要人物が、シリーズの人選についてここまで力強く言い切るのは珍しいケースといえるだろう。
キャスリーン・ケネディ社長率いるルーカスフィルムの首脳チームは、常にメンバーの半分が女性だという。リンウェン氏も女性であり、ルーカスフィルムで仕事を続けてきた過程では、こんな出来事があったそうだ。
「ルーカスフィルムのリーダーシップには優れたバランス感覚があるんです。素晴らしかった出来事の一つに、私が産休に入っていた時、昇進させてもらっていたということがありますね。いつも支えてもらっていると感じます。」
リンウェン氏が会長を務めるILMにおいては、現時点でルーカスフィルムほどの男女比を未だ実現できていないという。しかし同氏は、「VFXやテクノロジー分野の女性が(ルーカスフィルムと)同じ比率に達していないことについて、現実的かつ具体的に取り組んでいるところ」だとして、状況の改善に努めていることを明かしている。
「現在、VFXの世界で働いている人々の75%が男性です。ILMの男女比はもう少し良いんですが、まだ十分ではありませんね。」
「スター・ウォーズ」への女性監督起用については、ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(2017-)を手がけるリード・モラーノ氏がルーカスフィルムと面会していたことが判明した際に話題となっていた。のちにリード氏は「スター・ウォーズ」への監督就任を否定しているが、なんらかの話し合いがなされたことは間違いないだろう。
今後の「スター・ウォーズ」は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)のライアン・ジョンソン監督による3部作、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-)の製作陣による新シリーズのほか、『ジャングル・ブック』(2016)のジョン・ファヴロー監督が製作総指揮を務めるドラマ版など複数のプロジェクトが予定されている。初の女性監督起用となるのはどの作品か……今後の動きにも注目していきたい。
Source: WalesOnline
©Twentieth Century-Fox Film Corporation Photographer: John Jay 写真:ゼータ イメージ