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「黒人がキャプテン・アメリカになることは、迫害されてきた500年間の象徴になること」 ─ ファルコン役アンソニー・マッキー、盾の重みを語る

ファルコン&ウィンター・ソルジャー
© 2021 Marvel

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は思わぬ地点から開幕した。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)でスティーブ・ロジャースが託したキャプテン・アメリカの盾を、ファルコン/サム・ウィルソンは受け取らず、スミソニアン博物館に預けてしまうのだ。

MTV ASIAの取材にて、ファルコン役のアンソニー・マッキーはサムの決断に共感を示した。過去にも「サムの旅はスティーブとともにあった。それは彼を尊敬し、称えていたから」「サムにとってもスティーブこそがキャプテン・アメリカ」と語ったアンソニーは、盾を継承することの重みに新たな視点をもたらしている。

「あの盾はスティーブのもの。サムがここまで来たのはスティーブの関係があったからで、彼は翼を付けてキャプテン・アメリカになるのを待っていたわけじゃないし、そうなりたいと願っていたわけでもありません。サムの目的はスティーブと一緒に世界を救うこと。だから、もし自分がキャプテン・アメリカになってしまったら、それはスティーブとの別れを意味します。それでは楽しみがなくなってしまう。それに、黒人の男がスーパーヒーローになること、キャプテン・アメリカになることは、(黒人が)奴隷にされ、迫害され、抑圧されてきた500年間のシンボルになること。真剣に向き合うには、あまりにも厳しい現実です。」

一方、アンソニーは“キャプテン・アメリカ候補”を演じることについて「素晴らしいことです。(MCUの世界には)現実世界と同じように、ありとあらゆる文化的側面が脚本に取り入れられています」と話した。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は政治的要素を多分に含んだシリーズだが、アンソニーいわく、今後のシリーズもある程度はその方針が貫かれることになりそうだ。「シーハルクやMs.マーベルといったキャラクターにも今という時代が反映されるでしょう。本当に素晴らしいことだと思います」

スティーブ・ロジャースが表舞台を去った今、サム・ウィルソンはMCUの看板を背負うキーパーソンの一人となった。しかし、そうなることを予想だにしていなかったらしいアンソニーは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)直後、マーベルから解雇されるのではないかと大慌てしたエピソードを明かしている。

「(マーベルから)電話がかかってきて、“ロサンゼルスに来てください”と。すぐに自分のことをググりましたよ。何かクビになるようなことをしたかな、わからないぞと。俺は何をやらかしたんだ、良くないことを言ったかな、テープが流出したかって。45分くらい検索して、“やっぱ何もやってないよな”って思いましたけどね。」

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Source: MTV ASIA

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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