『マッドマックス 怒りのデス・ロード』火炎ギター男、本編から削除寸前だった

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)で短い出番ながら絶大な人気を博したのは、本作で最も狂っていると言っても過言ではないコーマドーフ・ウォーリアーこと“火炎ギター男”だ。ところが、当初は本編から削除寸前だったのだという……。
2020年5月、米The New York Timesで、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の米国公開から5周年を記念した出演者・製作陣のインタビューが実施された。インタビューを担当したカイル・ブキャナン氏は、記事内では紹介し切れなかった、ジョージ・ミラー監督の発言について自身のTwitterで紹介している。
「最初の編集段階では、コーマドーフ・ウォーリアーが酷い方に機能していました。彼が登場する場面では、仮の既存音楽を使用していたのですが、コーマドーフ・ウォーリアーは同じような演奏をするばかりで、邪魔に聞こえてしまったんです。そこでスタジオ側の複数の方々から、“コーマドーフ・ウォーリアーを本編から削除しましょう”という声が挙がりました。それに対して私は、“いやいや、決断するには早過ぎますよ”と説得しましたよ。」
その後、ジャンキーXLによる音楽が本編に追加されたことで、ジョージ・ミラー監督の鋭い眼差しが正解だった事が証明されたわけだ。「映画の中でも最も人気のキャラクターになりました」。
コーマドーフ・ウォーリアーとは、イモータン・ジョーが率いる武装集団「ウォー・ボーイズ」の一員。巨大スピーカーを搭載した改造車の舞台で、火炎を噴くエレキギターを激しく掻き鳴らす男である。同役を演じたのは、オーストラリアの歌手・俳優であるiOTA(イオタ)。人々の心を一瞬にして鷲掴みにしたコーマドーフ・ウォーリアーの人気ぶりは、シャーリーズ・セロン演じるフュリオサ、ニコラス・ホルト演じるニュークスに匹敵する程だ。
Source: Collider , Kyle Buchannan , The New York Times