『マッドマックス 怒りのデスロード』マックス役にエミネムが検討されていた ─ きっかけは『8 Mile』、監督が振り返る

ジョージ・ミラー監督の傑作アクション映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)では、主演候補としてエミネムが検討されていたという。2022年2月22日にアメリカで出版が予定されている本作の20年間に及ぶ製作の舞台裏を綴った書籍『Blood, Sweat, and Chrome: The Wild and True Story of Mad Max: Fury Road』で明かされている。
トム・ハーディが演じた主人公マックス・ロカタンスキーについては、『ダークナイト』シリーズのヒース・レジャーが最有力候補だったことは有名な話。しかし、2008年にレジャーが急死したことでキャスティング作業が再開され、ハーディのほかジェレミー・レナーやアーミー・ハマーといった俳優陣が候補となった。
本作の制作陣によれば、その候補の中にはヒップホップ界のレジェンド、エミネムの名もあったという。ストーリーボードアーティストのマーク・セクストンは「これはあまり聞かないことですし、ジョージ(監督)も絶対に認めてくださらないことなんですけど、前にジョージはマックス役としてエミネムはどうかと話されていたことをすごく鮮明に憶えています」と語っている。これに製作クルーのペトリーナ・ハルが「ジョージはポップカルチャー界の人間を常に検討してましたし、この人(エミネム)について知りたがっていました」と同調。これをミラー監督は事実として、以下のように振り返っている。
「彼は『8 Mile』に出ていて、すごく興味深い人だと思ったんです。彼にはこんな腕前があるのかと、そう思って。私は亡くなられたブリタニー・マーフィと『ハッピー フィート』でご一緒したのですが、彼女は『8 Mile』にも出演していました。だから彼女に、彼がどうだったか、彼が興味を持ってくれるかを聞いたんです。彼女は自信をもって、彼が素晴らしい才能を持っていることを伝えてくれました。」
ミラー監督によれば、その後はエミネムに連絡し、オーストラリアで行われる撮影の詳細まで伝えたという。しかし、アメリカ在住のエミネムは「自宅を離れたくなかった」そうで、ミラー監督は「もし自宅から出来たのであれば、彼もやる気があったのではないか」と振り返っている。
ちなみに、エミネムと同じアーティスト繋がりで言えば、リアーナも本作のキャストとして検討されていたのだとか。その役どころは、イモータン・ジョーの花嫁たちの1人だったという。ミラー監督はリアーナとの面会時を振り返り、「部屋に入ってきた時の彼女は華やかでした」と語った。
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Source: Vulture