ハリウッド版アニメ映画『スーパーマリオ』2022年公開目指して企画進行中 ― 任天堂・宮本茂氏が製作に深く携わる

任天堂が世に送り出した超人気ゲームキャラクター、スーパーマリオの、ハリウッドにおけるアニメ映画化は順調に進行しているようだ。2017年11月に第一報が伝えられて以来、およそ1年ぶりに進捗状況が報告された。
アニメ映画版『スーパーマリオ(仮題)』の製作を手がけるのは、『怪盗グルー』シリーズや『ミニオンズ』(2015)で知られる米イルミネーション・エンターテインメント。創業者でCEOを務めるクリス・メレダンドリ氏が、このたび米Varietyにてプロジェクトの現況を明かしている。
今回の情報によると、アニメ映画版『スーパーマリオ』はイルミネーション社内でも優先順位の高いプロジェクトであり、2022年にも劇場公開となる可能性があるとのこと。製作にあたっては、スーパーマリオの生みの親であるゲームクリエイター、任天堂の宮本茂氏が深く関与しているという。
「今回の映画では、宮本氏に創作の中心部、前線に入っていただいています。私たちのような形で、オリジナルの創作者の声をアダプテーション(編注:映画化、脚色などの翻案)版に取り入れているのはほとんど見たことがありませんね。ハリウッドの人々には、ある財産の責任者よりも、自分たちの方が(対象について)よく知っていると信じてきた歴史があるんです。私も以前はそれで失敗しましたね。」
クリス氏がこう語っている背景には、かつてスーパーマリオがハリウッドで『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(1993)として実写映画化された際、興行的・批評的に厳しい結果になったという過去がある。ただしクリス氏は「1回目が成功しなかったのは良いことですね。大成功した映画を新たに作り直すより、エキサイティングで有意義だと思うんです」とも述べたのだった。
「(アニメ映画『スーパーマリオ』は)野心的な仕事ですね。オリジナルの形では(ストーリーとしての)内容が薄いものを取り上げながら、あらゆる世代のファンが愛するマリオを傷つけないよう、同時に見た目のイメージにも忠実に、内容の深みを発見していく。その挑戦が(脚本の)三幕構成を支えうるんですよ。」
現在、イルミネーションは最新作『グリンチ』の日本公開を2018年12月14日に控えている。その後は『ミニオンズ』や『ペット』(2016)、『SING/シング』(2016)の続編が控えているほか、ドリームワークス製作『シュレック』シリーズや『長ぐつをはいたネコ』(2011)のリブート企画、人気シンガーのファレル・ウィリアムスとのコラボレーションによる新作アニメ映画などが待機中。いまやディズニー、ピクサーに次ぐ有力アニメスタジオとなった感もあるだけに、今後の展開にはさらなる注目が集まりそうだ。
イルミネーション・エンターテインメント製作、アニメ映画版『スーパーマリオ(仮題)』の劇場公開時期は未定。
Source: Variety