マーベル元幹部、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ロケット役ブラッドリー・クーパー起用に疑問呈していた ─ ジェームズ・ガン監督明かす

銀河の寄せ集め集団『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のメンバーには、人間だけでなく木やエイリアンなど、多様な種族が揃っている。個性豊かな顔ぶれの中でも、強烈な存在感を放っているのがアライグマのロケットだ。マーベル・スタジオ製作の映画シリーズでは、『アメリカン・スナイパー』(2014)『アリー/スター誕生』(2018)などで知られる俳優ブラッドリー・クーパーが声を担当している。
映画シリーズ2作や『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)など、登場が何度も重ねられた今でこそ、ロケット役といえばブラッドリー・クーパーというイメージが定着しているが、第1作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のポスト・プロダクション(撮影後作業)の時点では、当時のマーベル・スタジオ幹部がクーパーの起用に疑問を呈していたという。
これを明かしているのが、映画シリーズを手がけてきたジェームズ・ガン監督。「何がどうなってブラッドリー・クーパーがロケット役に起用されたんでしょう。だって、彼が裏であの声を出しているのが想像できないんですもの」。ガン監督は、Twitterにて本シリーズのファンにこう尋ねられると、知られざる事実を明かしたのだ。
One exec – who is no longer with Marvel Studios/Disney – saw an early cut & said “Why did we pay money for Bradley Cooper if he doesn’t even sound like Bradley Cooper!?” I was like, we hired him because he’s a great ACTOR. That’s the point! He’s creating a CHARACTER! https://t.co/TzW7IMQ4gB
— James Gunn (@JamesGunn) December 22, 2020
「今はもうマーベル・スタジオ/ディズニーで働いていない当時のある幹部が、初期の編集版を見て、こう言ったんです。(ロケットが)“ブラッドリー・クーパーらしくも無いのに、なんでブラッドリー・クーパーに金を払ったんだ!?”。僕は、“素晴らしい俳優だから彼を雇ったんです。それこそが重要なんです!彼がキャラクターを作り出すんです”って感じでしたよ。」
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』出演前の時点で、『ハングオーバー』シリーズやアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『世界にひとつのプレイブック』(2012)などで、すでに俳優としての地歩を築き上げていたクーパー。スタジオ元幹部がクーパーの起用に異を唱えた真意こそ不明だが、上述のガン監督の言葉から察するに、演者が認識されにくいロケット役にクーパーを起用する必要はないと考えていたのだろう。
ちなみに、ガン監督はロケット役に対する献身的なクーパーの取り組みについて、第1作の製作が初期段階にあった2013年にも語っている。「クーパーは、私が(ロケットに)望むどんな方向へも押し進めてくれます。絶対に諦めない男なんです。喉を痛め、目が充血し、鼻や耳から血を出すまで一日中スタジオにこもっていますから。それでも、彼は良いアライグマの声を吹き込んでくれるんです」。
Source: MTV