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『アイアン・フィスト』に宿るマーベルの魂 ─スパイダーマン、キャプテン・アメリカ、ドクター・ストレンジとの共通点

Netflixで配信中のマーベルドラマ『アイアン・フィスト』は『ディフェンダーズ』最後の一人ということもあり欠かせない一作だ。本作はMCUならではの小ネタはもちろんだが、他のマーベル作品との共通点を思わせるようなポイントが数多く存在する。これらを発見することで『アイアン・フィスト』がより一層楽しめるに違いない。

【注意】

この記事には、『アイアン・フィスト』に関するネタバレ内容が含まれています。

スパイダーマンの世界との共通点

ミーチャム家の呪いとオズボーン家の呪い

主人公ダニー・ランドの父の経営パートナー、ハロルド・ミーチャムとその家族。この一家、特に父ハロルドと長男ウォードは『スパイダーマン』のノーマン・オズボーンとその息子ハリーにそっくりだ。ハロルドは数年前に癌に侵され死んだことにされているが実は身を隠して生きており、ついでに何度死んでも生き返る。彼は生き返る度に狂気じみていき身近な人物を残忍に殺していく。まさにグリーン・ゴブリンである。

また息子ウォードはハロルドから受け継いだ会社の経営に追われながら、生き返ったハロルドの存在を知り、狂人へと変貌している彼の存在に一人悩み続けている。そんな中、これまた死んだはずのダニーが現れ、ウォードのストレスは最高潮に。しまいには薬物中毒に侵されてしまう。一家の呪いから逃れられないウォードもまたハリー・オズボーンのようである。そして時によき友であり時に対立するダニーとウォードの関係もピーターとハリーを連想させる。つまり今作におけるミーチャム家は『スパイダーマン』のオズボーン家そのものなのだ。

キャプテン・アメリカの世界との共通点

ヤミノテ(ザ・ハンド)とヒドラ

ヤミノテは『デアデビル』シーズン2でも登場した闇組織だが、今回はその関係がより複雑化している。これまでのヤミノテは出てきたらただひたすら倒せば良い絶対悪であった。しかし『アイアン・フィスト』では信頼していた人物がヤミノテであったり、ヤミノテであっても必ずしも悪でなかったり、と思ったらやっぱり悪であったりと裏切りの連続である。そんな誰が味方かわからないハラハラ感は『キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー』におけるヒドラのようである。

ドクター・ストレンジの世界との共通点

ダヴォスとモルド

飛行機の墜落事故に遭ったダニーがクン・ルンで修業を受けアイアン・フィストとなるオリジンはドクター・ストレンジのそれと似ているという話はよくされるが、クン・ルンからの使い、ダヴォスも映画『ドクター・ストレンジ』のバロン・モルドの役割と酷似している。ダヴォスもモルドも規律を忠実に守る男であり、最初は良きパートナーとして主人公をサポートするが、主人公が誰かを守るためにやむを得ず行う正義という名の掟破りを彼らは許さない。やがて主人公と快を分かち行動を別にするが、彼らの存在は今後ダニーやストレンジにとって大きな脅威になるだろう。

このように『アイアン・フィスト』には原作にも存在する設定も含め、これまでのマーベル作品の様々な要素がふんだんに盛り込まれている。そこにはアクションだけでなく、人間ドラマを主体としたマーベルの魂が宿っているのだ。

『アイアン・フィスト』はNetflixで好評配信中。
https://www.netflix.com/title/80002612

© Marvel
Eyecatch Image:http://www.imdb.com/title/tt3322310/mediaviewer/rm1305882880

Writer

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露木

私の体はサム・ライミ版『スパイダーマン』で出来ている。 

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