マーベル、テレビ部門を「マーベル・TV・スタジオ」として再始動 ─ 「M.O.D.O.K.」アニメ化、世界征服を夢見る中年ヴィランの危機描く

米マーベル・エンターテインメントが、自社のテレビ部門を「マーベル・TV・スタジオ(Marvel TV Studios)」として再始動させることがわかった。新作アニメシリーズ「Marvel’s M.O.D.O.K.(原題)」の新情報発表に伴い、自社プレスリリースにて明らかにした。
「エージェント・オブ・シールド」(2013-)など多数のテレビシリーズを発表してきた、マーベルのテレビ部門「マーベル・テレビジョン」は、2019年12月に閉鎖が正式決定されていた。テレビ事業は映画部門「マーベル・スタジオ」に統合され、傘下にて「マーベル・TV・スタジオ」として再始動する運びとなったのである。マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは、いまやマーベル全社のチーフ・クリエイティブ・オフィサーとして出版物・映画・テレビ・アニメーションなどの各作品に参加。旧マーベル・テレビジョン代表のジェフ・ローブは、体制の移行期間を経て退社する予定だ。
マーベル・テレビジョンの閉鎖を受けて、同部門にて新たに企画されていたプロジェクトはすべて打ち切られていた。マーベル・TV・スタジオで企画が継続されているのは、第7シーズンをもって完結する「エージェント・オブ・シールド」と、Huluとの共同製作によるドラマ「ヘルストローム(原題:Helstrom)」、アニメシリーズ「ハワード・ザ・ダック」「ヒットモンキー」「ティグラ&ダズラー」(すべて原題)、そして「Marvel’s M.O.D.O.K.」である。
「M.O.D.O.K.」人気ヴィランの「中年の危機」描く

「Marvel’s M.O.D.O.K.」は、コミックやゲームなどで人気のヴィラン、コンピューター人間のM.O.D.O.K(Mental Organism Designed Only for Killing=“殺人専用精神的生命体”)を主人公とするアニメシリーズ。世界征服を長らく夢見るM.O.D.O.K.は、悪の秘密結社「A.I.M.」のリーダーだ。ところが、スーパーヒーローとの戦いに敗れつづけたのちにA.I.M.は破綻。M.O.D.O.K.は指導者として失脚したばかりか、家に帰れば夫婦関係は崩壊、息子とのコミュニケーションもうまくいかなかった。M.O.D.O.K.最大の試練とは、ヒーローとの戦いではなく“中年の危機”なのだ。
悩める中年ヴィラン、M.O.D.O.K.役を務めるのは、Netflixドラマ「Happy!」(2017-2019)など多くのドラマや映画、アニメで俳優・声優として活躍してきたパットン・オズワルト。主婦ブロガーからライフスタイル・ブランドの女王に転身しようとしている妻ジョディ役は、「LUCIFER/ルシファー」(2016-)のエイミー・ガルシア。人気者でもオタクでもない、野心も友人も健康面も今ひとつの息子ルー役は『ソニック・ザ・ムービー』(2020年3月27日)でソニックの声優を務めるベン・シュワルツが演じる。
アニメ「Marvel’s M.O.D.O.K.」は、2020年にHuluにて米国配信予定。