マーベル、『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の展開に興行成績は影響せず ─ 『ブラックパンサー』大ヒットも計画に変更なし

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)11年間の到達点となる、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開を2019年4月26日に控えるなか、米国メディアや熱心なファンたちは“その後”の展開に早くも注目している。新たなヒーローはどれほど登場するのか、既存のヒーローはいかに活躍するのか……。
このたびマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、これまで公開された映画の興行成績が『エンドゲーム』後の展開に影響を及ぼすことはないと明言。事前の計画通りに物語を進めていくことを明らかにした。

『ブラックパンサー』大ヒットも物語には無関係
スマッシュヒットを連発しているMCUだが、観客や専門家にとっても、オールスターキャストのお祭り映画だった『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)の大ヒットは想定の範囲内だっただろう。むしろ意外だったのは、米国にて『インフィニティ・ウォー』を超えるヒットとなった『ブラックパンサー』(2018)の社会現象化だ。
米Screen Rantのインタビュアーは、ケヴィン社長に対して「『ブラックパンサー』の大成功は予想外だったと思いますが、彼の出番はこれから増えますよね。キャラクターごとの成績によって今後の展開は変わるのでしょうか?」と問いかけた。すると社長は、「そういったことは全くありません」と真っ向から否定したのである。
「私たちには今後の計画がありますし、もっと映画を作ることができるよう、それぞれの作品が成功することを常に願っています。ご指摘のとおり、『ブラックパンサー』は成功し、それ以上の結果となりました。ですが、興行面の成功にもとづいて、描きたいストーリーを変更することは一切していません。もちろんワカンダや『ブラックパンサー』にはとても素晴らしいキャラクターがいますから、今後、彼らはあらゆる形で登場することになりますけどね。」

2019年3月現在、マーベル・スタジオは『エンドゲーム』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』後のMCUで『ブラックパンサー』続編を計画中。ほかにはブラック・ウィドウの単独映画や『エターナルズ(邦題未定、原題:Eternals)』、アジア系ヒーロー「シャン・チー」の単独映画、さらに『ドクター・ストレンジ』(2016)続編と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(邦題未定、原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)』が控えている状況だ。
『アイアンマン』から『エンドゲーム』までの計22作品を、ケヴィン社長は「インフィニティ・サーガ」と呼び、さらなる展開を示唆している。ただし、当然ながらその全貌はいまだ明かされていない。緻密にユニバースを織り上げてきたマーベルのチームは、興行収入に左右されず、あくまでストーリーを第一として次なる大ヒットを狙う計画のようだ。これがハリウッドの一角を占める“ヒーロー映画最大手”の余裕といえるだろう。
しかし一点だけ気になるのは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』からジェームズ・ガン監督が一時解雇され、同作の製作が数年スパンで遅延していることだ。もともと『Vol.3』は、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』とともに『エンドゲーム』後のMCUの“開幕”を担う方針だった。このことが全体のストーリーにいかなる影響を与えたかは不明だが、スタジオ側は計画変更を余儀なくされたとみられる。MCUの宇宙サイドを描く次回作となるのは『エターナルズ』の予定だが、『Vol.3』に登場するはずだった要素はこちらに移されたのか、それとも?
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)全国ロードショー。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html
Source: SR