『MEG ザ・モンスターズ2』にゴジラ映画の影響アリ ─ 1作目の犬ピピンも再登場へ【監督インタビュー】

──予告編映像ではワンちゃんが映っていました。もしかして、1作目にも登場した「ピピン」ですか？

そうです。ピピンは超常的な存在で、おそらくもう100歳になっていると思う。ピピンというか、“ピピンさん”ですね。

──えっ、本当に1作目と同じ犬ってことですか？

そうです。1作目と同じ犬です。1作目に登場した女性も出てくる。だからピピンは繋がっています。

──最高のイースターエッグを聞くことができました（笑）。さて、ジェイソン・ステイサムと仕事をしてみて、彼のプロフェッショナルぶりや献身ぶりに驚かされたことはありましたか？

肉体的なパフォーマンスについては、あらゆる面で彼は超シリアスでした。彼が世界一のアクションスターたる所以ですね。アクションを熟知していて、そのことに全集中している。全ての動きを完璧なものにするために、全てを分解して取り組むんです。それでいて、キャラクター描写へも集中し、ジョナスという人物をきちんと演じてくれる。非常に厳格な方です。

ジウミン役のウー・ジンもそうです。彼は『ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊』『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』などで知られる中国の大物スター。彼と仕事ができたことも、僕の人生でかなり貴重な経験になりました。自分の仕事を熟知している彼らと話すときは、軽く考えてはいけません。

──ワーナー・ブラザースのような大手スタジオとの仕事はいかがでしたか？

僕の『レベッカ』（2020）という映画はNetflixでやりましたから、大手スタジオとの仕事は初めてではありませんでした。大手との仕事はうまくいっていますよ。こういう大きな規模で仕事ができるのは嬉しいこと。技術的な面でも、素晴らしいスタッフがたくさんいる。多くのチームがあるからこそ、こういう大作映画が作れるのです。ジェームズ・ボンド映画や、『スター・ウォーズ』で仕事をしていた人たちと一緒にやれたんです。

ワーナーのチームとの仕事は、まさに共同作業という感じ。スタジオは威圧的だとか、監督はスタジオの言いなりになっているだとか、そういう恐ろしい話を聞いたことがあると思いますが、そんなことは全くありませんでした。チーム全体で最高の映画を作ろうと突き進んでいましたよ。僕は大規模な大衆映画、大きな娯楽性のある映画を作りたかったんです。塞ぎ込んで難解なインディー映画のために、大予算を費やすつもりはありませんでしたから。

──自身のキャリアの中でも、最も大きな製作費の映画になった？

はい、そうです。

──そのことにプレッシャーは感じましたか？

そう言われて、今初めて感じました。ハハハハハ！（笑）

いやいや、プレッシャーについては考えませんでしたね。さまざまなレベルで支えてくれる人がたくさんいましたから。プロデューサーのロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラも、元々はワーナーの重役として『マトリックス』など数多くの大作を送り出してきています。『トランスフォーマー』全作も手がけられている。彼には大衆映画に対する直感があるわけです。20年間もずっとやってこられているような方ですからね。だから、彼が「これはやらない方がいい。好まれないぞ」と言えば、そういうことなんだろうと（笑）。もちろん、共同作業や創造性に対してオープンでもあります。僕が参画した時にはストーリーボードも含めていろいろと決まっていましたが、とにかく全力を注ぎました。皆さん、本当に協力的でしたよ。

──最後に、もう一度予告編映像について。映像ではT-REXが登場していましたが、他にも巨大な生物は登場しますか？巨大なタコがいたような気がするのですが……。

はい。さまざまなスケールのものを登場させたくて。今作ではMEGを脅かすクリーチャーも必要でした。彼らが戦うんです。なぜなら、MEGは全てを破壊するような存在なので、別の脅威を登場させて、緊張感を持たせたんです。

というわけで、本作にはMEGを襲う超危険な巨大タコが出現します。まさに、僕がやりたかったレイ・ハリーハウゼンの領域ですよ。しかも、地上にも小さいクリーチャーが登場します。つまり、逃げ場なしです。

──MEGが別のクリーチャーと戦う展開ですか。それもゴジラ映画的ですね。

そうでしょう？ハッハッハ！（笑）やっぱり巨大クリーチャーってみんな大好きだよね。ゴジラもそうだし。彼らが大暴れして、破壊しまくって、その中で人間と戦闘になる。こういう映画の最高の喜びですね。

『MEG ザ・モンスターズ2』は2023年8月25日、日本公開。