身体についた先輩のタバコの匂いを消したい ─ 『mid90s』がんばれ隠蔽工作

気鋭スタジオA24が放つ、90年代カルチャーに根ざした青春映画『mid90s ミッドナインティーズ』より、本編映像が特別に公開された。
これは、年上の友人たちと楽しい過ごした後、自分についた“タバコの匂い”に気づいたスティーヴィーが匂い消しに走るシーン。
母親に怒られることが急に怖くなったスティーヴィーは友人たちと別れた後、ガソリンスタンドのトイレに急いで駆け込み、全身のあらゆる部分を洗浄、消臭スプレーまで自分に振りかけて必死の隠蔽工作を図る。その後、何食わぬ顔をして帰宅できたのも束の間、母親の顔を見た瞬間「ごめんなさい 気を付ける」と思わず謝ってしまう、という可愛らしいシーンだ。
スケートを通して家族以外ではじめて自分の居場所を見つけたスティーヴィーが、その大事な世界を壊されないように、そして、戸惑いながらも広げていく。誰もが思い当たる10代の貴重なひとときを切り取った場面だ。匂いを消そうと必死に身体をゴシゴシこするスティーヴィーの仕草も愛らしい。
本作『mid90s ミッドナインティーズ』は90年代のロサンゼルスを舞台に、シングルマザー家庭に育った13歳の少年スティーヴィー(サニー・スリッチ)が、スケートボードを通してかけがえのない仲間達と出会い、子供から大人への扉を開いていく、ジョナ・ヒル自身の半自伝的な10代の想い出をもとに珠玉の青春映画へと作り上げられたストーリー。
タッグを組んだのは、日本での『ミッドサマー』の大ヒットも記憶に新しく『レディ・バード』『ムーンライト』などアカデミー賞の候補作を続々と送り出すなど、世界中の映画好きから注目の的となっている気鋭の映画スタジオA24。
懐かしくて新しい90年代への愛情と夢をたっぷりに描いた10代の少年たちの成長物語はあらゆる世代の共感を呼び、ナショナル・ボード・オブ・レビューのトップ10インディペンデント映画にも選出、全米4館からスタートしたにも関わらず、1200スクリーン超まで拡大するスマッシュヒットを記録した。
1990年代半ばのロサンゼルス。13歳のスティーヴィーは兄のイアン、母のダブニーと暮らしている。小柄なスティーヴィーは力の強い兄に全く歯が立たず、早く大きくなって彼を見返してやりたいと願っていた。そんなある日、街のスケートボード・ショップを訪れたスティーヴィーは、店に出入りする少年たちと知り合う。彼らは驚くほど自由でかっこよく、スティーヴィーは憧れのような気持ちで、そのグループに近付こうとするが…。
映画『mid90s ミッドナインティーズ』は2020年9月4日(金)新宿ピカデリー、渋谷ホワイトシネクイント、グランドシネマサンシャインほか全国ロードショー。