『ミッドサマー』若き天才アリ・アスター監督が来日決定、舞台挨拶つき先行上映も ─ スコセッシ、ポン・ジュノ、デル・トロが絶賛する才能

『ヘレディタリー/継承』(2018)で“現代ホラーの頂点”と称されるほどの鮮烈なデビューを飾った若き鬼才監督アリ・アスターが、前代未聞の〈フェスティバル・スリラー〉となる最新作『ミッドサマー』をひっさげて、2020年1月30日(木)~31 日(金)に来日する。
長編2作目にして、すでに世界中で「天才」との呼び声も高いアリ・アスター監督だが、来日は今回が初めて。国内メディアからのインタビューに応じるほか、舞台挨拶つき本編先行上映も予定されている(イベントの詳細は追って告知される)。黒沢清、三池崇史といった日本の映画監督や、漫画などからも影響を受けてきたという監督は、ここ日本でいったい何を語ってくれるのだろうか。

『ミッドサマー』のヒロインであるダニーは、家族を不慮の事故で失ったのち、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人と、スウェーデンの奥地で開かれる“90年に一度の祝祭”を訪れる。美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは、想像を絶する悪夢の始まりだった。
アスター監督は、恐怖の歴史を覆す“明るい祝祭”という設定のもと、驚くべき発想と演出、すべてのシーンが伏線となる緻密な脚本、そして極彩色の映像美によって、観客を永遠に忘れられない結末へと誘っていく。その先に待つのは、究極の恐怖と未体験の解放感だ。
本作は2019年6月より全世界で公開され、有力映画サイトやジャーナリストの年間ベスト作品に選出されたほか、話題作『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督、『シェイプ・オブ・ウォーター』(2018)のギレルモ・デル・トロ監督らの年間ベスト作品にも加わっている。その才能には、『アイリッシュマン』(2019)『タクシードライバー』(1976)などの巨匠マーティン・スコセッシ監督が「彼の映画は単なる恐怖映画を超えている」と舌を巻き、俳優のニコラス・ケイジも「アリ・アスターは僕にとって事件」と語るほどだ。

すでに本作は、日本での先行上映でも「美しいのに恐ろしい」「すべてにおいて『ヘレディタリー』以上」「恋人がいる人は観ない方がいい」などの感想が続出。さらに「とんでもない映画」「地獄なのか天国なのかわからない」「なぜか爽快」「震えが止まらない」「救われた」など、熱狂と混乱、安堵が入り乱れたリアクションが寄せられている。
主人公ダニー役はマーベル・シネマティック・ユニバース最新作『ブラック・ウィドウ』でキーパーソンに抜擢された新鋭女優フローレンス・ピュー。ダニーの恋人クリスチャンを『トランスフォーマー/ロストエイジ』(2014)『ビリーブ 未来への大逆転』(2018)のジャック・レイナーが演じ、『デトロイト』(2017)の強烈な演技で賞賛されたウィル・ポールター、『ベニスに死す』(1971)の美少年役としても知られるスウェーデンの名優ビョルン・アンドレセンらが出演する。
映画『ミッドサマー』は、2020年2月21日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。