「ディズニーにはフィンポーの準備なかった」 ─ 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』ポー・ダメロン役オスカー・アイザックが語る

『スター・ウォーズ』新3部作において、ファンの間で注目を集めてきた2人組がいる。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)で、レジスタンスのパイロットであるポー・ダメロンが、ファースト・オーダーからの脱走兵FN-2187にフィンという名前を与えてからというもの、彼らの関係には熱い視線が注がれてきたのだ。その友愛には「フィンポー(FinnPoe)」「ストームパイロット(Stormpilot)」との愛称もつけられた。
この記事には、映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のネタバレと捉えうる情報が含まれています。映画本編をご覧になっていない方はお気をつけください。
スカイウォーカー・サーガの完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開された今、フィンとポーの関係について、ポー・ダメロン役のオスカー・アイザックが米IGNに語っている。これまでもアイザックは、フィン役のジョン・ボイエガと揃って、フィンポーに積極的なコメントを発してきた。もちろん、今回もそうだ。
「非常に興味深い、先進的な――いまや先進的ですらないですが――現代的なラブストーリーが描かれた可能性はあったと思います。これまで特に描かれてこなかったものですね。とりわけ、戦場にいる2人の男が互いに恋に落ちるかもしれないという関係は。そういう方向性も少しは推していたんですが、ディズニーのお偉方にその準備ができていなかったんですよ。」
アイザックは『フォースの覚醒』からフィンポーのブロマンスの進展に期待をにじませており、先日は「あの2人がボーイフレンドになったら、それも楽しかったと思います」と話していた。ボイエガは「一線を越えてもおかしくないような愛情と関係性がありました。当時はプラトニックでした」、『フォースの覚醒』『スカイウォーカーの夜明け』のJ・J・エイブラムス監督も「2人の関係性は恋愛関係よりももっと深い」と口にしてきたのだ。
ところで、アイザックは「ディズニーのお偉方に準備ができていなかった」と述べているものの、実は本作には同性愛を示唆するシーンも存在する。フィンポーはさておき、『スター・ウォーズ』でもセクシャルマイノリティの存在が描かれるようになってきたのだ。ただし、同性愛が法的に認められていないアラブ首長国連邦などの中東地域では該当シーンを削除して上映。同性同士の性行為が禁じられているシンガポールでも同様の対応が採られた。
シンガポールの情報通信メディア開発庁(IMDA)によれば、現地でのカット対応はディズニー側の判断によるもの。国内のガイドラインに従えば、該当シーンを残せば映画のレーティングが上がるためだという(現地ではPG13指定で公開となった)。「準備ができていなかった」のがディズニー側だけとは素朴に言い切れないが、どう捉えるべきだろうか。なお近年、『スター・ウォーズ』は小説作品にもセクシャルマイノリティのキャラクターが登場している。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)より公開中。