『スパイダーマン』マイルス・モラレス実写版映画が計画中 ─ 米ソニー・ピクチャーズの狙いとは

アニメやゲームで既に人気を獲得しているマイルスの単独実写映画化は、米ソニー・ピクチャーズにとって様々な利点がある。まず第一に、自然な形でキャラクターを次世代に継承させ、シリーズに新鮮さをもたらすことだ。2000年代以降、スパイダーマンは既に2度のリブートを経験しており、『ノー・ウェイ・ホーム』はその集大成的な作品として、キャラクターの歴史をまとめあげた。MCUでも人気ヒーローの引退や世代交代が行われているが、シリーズのマンネリを解消してファンのロイヤリティを維持することは、当然ながら『スパイダーマン』シリーズにも求められることとなる。
もう一つは、まだまだ事例の多くない黒人が主人公の映画を打ち出すことで、世界中の多様な市場に訴えかけられることだ。MCUでは『ブラックパンサー』が文化的にも成功を収め、今後もサム・ウィルソンやブレイドといった黒人ヒーロー作品が控えている。一方、ソニーが展開するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)にこうした事例はまだないので、実写版マイルス・モラレスに関する企画は同社にとって自然なやり方だ。
あるいはソニー・ピクチャーズには、もっと独自のやり方でスパイダーマンの作品を製作したいという狙いもあるかもしれない。同社作品の『ヴェノム』シリーズや『モービウス』では、このアンチヒーローあるいはヴィランたちがスパイダーマンと対決する将来が示唆された。トム・ホランド版のスパイダーマンはマーベル・スタジオと権利を共有しているから、代わりにマイルス・モラレスのスパイダーマンを独自に握っておけば、SSUでの展開もずっとスムーズになるのではないか。
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は2023年6月16日公開。
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