『MINAMATA』ジョニー・デップが語る写真の力、憧れの写真家ユージン・スミスに思いを馳せる

1970年代の日本を舞台に水俣病を題材にした実話映画『MINAMATA─ミナマタ─』より、主演のジョニー・デップが憧れの写真家ユージン・スミスを演じたことへの思いを熱く語るインタビュー映像が到着した。
本作のオファーを受ける前からW・ユージン・スミスに憧れを抱いていたというジョニー。スミスを知ったきっかけについて、「僕がスミスの作品を初めて見たのは20代前半くらいの時だったと思います。まず写真に出会って、写真家の名前を調べたらスミスでした」と、運命的な出会いを果たした時の記憶をたどる。「彼は戦争写真家で、死んだり負傷したりする可能性のある仕事です。でも彼は献身的で情熱的なアーティストで、自分を犠牲にしてでも真実を追い求めました。真実の瞬間をとらえ、それを永遠に残すためにです」と思いを汲むデップ。「彼は写真を通して意見を表明し、次の世代に影響を与えたんです。たくさんの戦争写真家やジャーナリストがスミスの写真に刺激を受けてリスクを恐れなくなったと思います」と後世に繋いだスミスの功績を熱く語っている。
また、ジョニーはスミスの写真自体について「『入浴する智子と母』が良い例で、あれはまるでピエタのような正直さと純粋さにあふれています。スミスの写真は頭に焼きついて離れません」と自身も写真家として活躍するからこその、写真の力が与える力強さも語った。今もまだ続く目の前の危機である水俣の危機に当てたスポットライトを通して、各国で同じ環境被害に苦しむ多くの人々を照らし出そうと決意したジョニー。「映画の持つ力をフルに活用して、この歴史は語り継がれなければならない」と映画化を熱望し、役者人生をかけて作った衝撃の感動作となっている。

熊本県水俣市、チッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く日本における“四大公害病”のひとつ水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家のユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスによる写真集「MINAMATA」である。ジョニー・デップ自身が、長年の憧れだったと語るユージン。彼の遺作ともなったこの写真集を基に、ジョニー自身の製作・主演にて待望の映画化が実現したのだ。共演者にはジョニー・デップやビル・ナイをはじめ、日本から真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子らが名を連ねている。坂本龍一が音楽を手掛けた。
映画『MINAMATA―ミナマター』は、2021年9月23日よりTOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開。
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