ジョニー・デップ『MINAMATA』9月日本公開決定 ─ 真田広之・國村隼・浅野忠信・加瀬亮ほか出演、音楽は坂本龍一

ジョニー・デップ主演・製作、1970年代の日本を舞台に水俣病を題材にした実話映画『MINAMATA(原題)』が、2021年9月に日本公開されることが決定した。あわせて、日本語字幕付きの海外版予告編も到着している。
熊本県水俣市、チッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く日本における“四大公害病”のひとつ水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスによる写真集「MINAMATA」である。ジョニー・デップ自身が、長年の憧れだったと語るユージン。彼の遺作ともなったこの写真集を基に、ジョニー自身の製作・主演にて待望の映画化が実現したのだ。
映画では、報道写真家として功績を評価されながらも心に傷を抱えたユージンが、アイリーンとともに水俣を訪れ、1971年から1974年3年間現地で暮らし、人々の日常や抗議運動、補償を求め活動する様子を何百枚もの写真に収めていく濃密な日々が描かれる。「ユージンは心の中に痛みを抱えていた。でも、水俣が彼の心を再び開いたんだと思います」と語るジョニー・デップが、容姿から内面に至るまで、傷ついた写真家が再びカメラを手に取り、闘いに身を投じていくその生き様を見事に体現し現代に蘇らせている。
なお本作は、ベルリン国際映画祭で特別招待作として初上映されて、「デップが最高の演技を披露(The Playlist)」「デップが役に消える(Deadline)」と、デップによる魂の演技に各国が絶賛した。共演者にはビル・ナイ、日本から真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子など実力派俳優陣が集結。音楽を手掛けたのは坂本龍一。主な撮影は、セルビアとモンテネグロで行われた。
ジョニーデップによる公式記者会見(2020年2月21日、ベルリン国際映画祭より一部抜粋)
「W・ユージン・スミスに、昔からとても興味がありました。彼が辿ってきた人生や、彼が体験したこと、そして、何を犠牲にして、あのような瞬間を写真に捉えることができたのかなどを知りました。そして、水俣に関する記事を読み、知識を深めていくうちに、実際にそれが起こったという事実に衝撃を受けました。しかも、その影響は解決されたわけではなく、未だに続いているということは、それ以上に衝撃的なことです。一人の関心を持つ者として、この歴史は語り継がれなければならないと思いました。映画の持つ力をフルに活用して、伝えたいメッセージを発信することが、私も含めて、ここにいる我々の願望でした。我々は皆、ただの一片のホコリで小さな力なのです。もし私たちが窮地に立たされたとき、誰かが率先して、巨大な壁を壊そうとすれば、きっと大勢の人々が後に続いてくれるはずです。」
映画『MINAMATA(原題)』は2021年9月、TOHOシネマズ日比谷他 全国公開