ディズニー実写版『ムーラン』初の映像が米公開 ─ 荘厳な歴史アクションの風格、ムーランの凛々しさ光る

1998年に公開されたディズニーの名作アニメーション『ムーラン』の実写リメイク版より、初のティザー映像が公開となった。映画は2020年に米公開を予定している。
わずか1分29秒のティーザー映像ではあるが、実写版『ムーラン』の歴史スペクタクル的な趣向はひしひしと伝わってくる。映像前半は、名門ファ家のムーランに、両親が見合いの知らせを伝える場面だ。ムーランは家族の名誉のためにこの見合いを甘んじて受け入れるが……。
バックでは『ムーラン』の名曲「リフレクション」のアレンジがさりげなく流れ、冒頭ではムーランの愛馬カーンも草原を駆け抜ける。映像の後半に見られるのは、隊に加わったムーランが討伐隊の訓練に励み、戦に出陣する様子だ。
ドニー・イェンにジェット・リーも
「戦うことが、私の本分。」凛々しいムーランを演じるのは、中国出身のリウ・イーフェイ。歌手としても活動していた経歴があり、2006年には「イーフェイ」名義にて日本で歌手デビューも果たしているが、その後日本で活動の事実はない。2008年にはジャッキー・チェン主演作『ドラゴン・キンダム』に、2012年にはチョウ・ユンファ主演作『曹操暗殺 三国志外伝』に出演している。
カンフー映画界のスーパースターたちも集結。ムーランが憧れを寄せるシャン隊長には、『イップマン』シリーズや『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)のドニー・イェンが、皇帝役には『キス・オブ・ザ・ドラゴン』(2001)『ダニー・ザ・ドッグ』(2005)のジェット・リーが起用。ムーランの父ファ・ズーを、『ラッシュ・アワー』シリーズや『メッセージ』(2016)にも出演の香港映画界のベテラン、ツィ・マーが演じる。
ドニー・イェンやジェット・リーが演じるキャラクターは、今回の映像には未登場。ほか、『ムーラン』を象徴するキャラクターであるドラゴンのムーシューや、コオロギのクリキーの姿もない。一部では、今回の実写版にムーシューとクリキーは登場しない、あるいはお馴染みの姿では登場しない、と伝える声もある。(映画のキャスティング情報などを記録するデータベースサイトIMDbにおいても、現時点でムーシューはリストに存在しない。)
監督はニュージーランド出身のニキ・カーロ。セクハラ訴訟問題を描いた『スタンド・アップ』(2005)といった社会派作品や、デビュー作『クジラの島の少女』(2002)や『ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜』(2017)など、感動を誘う作品まで手がけている。
ディズニーは近年、往年のアニメーション作品の実写化を続々と製作。中でも『美女と野獣』(2017)は興業的な成功も収めた。2019年は『ダンボ』や『メリー・ポピンズ リターンズ』、『アラジン』を放っている。映像を見る限り『ムーラン』はアクション要素が強く、こうしたファンタジー要素を押し出した作品群とは一線を画する1作となりそうだ。一大市場となった中国での成功に命運がかかっている。
ディズニー実写作品において、アジア系キャストが中心となるのは初。米国では、同じくアジア系キャストのみで製作された『クレイジー・リッチ!』(2018)が、米公開4週連続で週末興行収入1位の大旋風を巻き起こしていた。
ディズニー実写版『ムーラン』は、2020年3月27日の米公開を予定している。
Source:TheDisInsider