『ムーラン』、フランスは「追加料金なし」で視聴可能に ─ ディズニー、配信延期の代わりに提案

ディズニー実写版映画『ムーラン』が、2020年9月4日よりDisney+(ディズニープラス)にて順次配信開始となる中、同日に予定されていたフランスでの配信が延期されることがわかった。
当初『ムーラン』は2020年4月17日に劇場公開予定だったが、コロナ禍を受けて公開日が3度延期に。その後、アメリカやヨーロッパ、日本などでDisney+配信が決定となり、配信対象国内の視聴者はプレミアアクセス料金を追加で支払うことで本作を視聴できることとなった。
このたび米Varietyが伝えたところによれば、イギリスやスペインなど、西ヨーロッパ諸国での配信が予定通り行われる中、フランスでの配信は見送られたとのこと。延期の理由こそ明かされていないものの、フランス国内のDisney+会員に対しては、「延期の代わりとして追加料金無しでの視聴が提案された」と伝えられている。
そもそも、本作の劇場公開見送りにあたっては、世界各国の映画館から反発の声が相次いでいた。中でも、フランスの映画館「Cinépal」では、ディズニーに対する抗議のために、オーナーが劇場の広報展示物(スタンド)を破壊。この映像がTwitterで拡散され、物議を醸していたのだ。この一件がフランスでの配信延期に結びついたと考えるのは難しいが、延期の理由が気になるところ。また、新たな配信日も未定となっている。
なお、『ムーラン』鑑賞の為の追加料金は本国アメリカの29.99ドルに対し、日本では2,980円(税抜・約28ドル)に設定されている。ほか、イギリスでは19.99ポンド、スペインやイタリアなどで21.99ユーロ、ニュージーランドとオーストラリアで、それぞれ39.99NZドル、34.99AUDドルに設定されており、いずれも米ドル換算で約25〜26ドルの価格だ。『ムーラン』の配信にあたり、自社初のPVOD(プレミアム・ビデオ・オン・デマンド=早期動画配信)方式を採用したディズニーは、この配信金額に対して、品質に見合った「適切な高価さ」と説明している。こうした中で、フランスにおける“追加料金なし”という決定は、配信延期への対応とはいえ、異例の決断と言えるだろう。
映画『ムーラン』は2020年9月4日(金)より、Disney+会員 プレミアアクセスにて独占公開(※追加支払いが必要)。
Source: Variety