【ネタバレ解説】『マトリックス レザレクションズ』に出演した大物監督の正体に気づいたか

この記事には、『マトリックス レザレクションズ』のネタバレが含まれています。

『マトリックス レザレクションズ』では、『マトリックス レボリューションズ』(2003)で幕を閉じたと思われたネオとトリニティーの物語の続きが描かれる。しかし、我々の知るネオは、トーマス・アンダーソンという名の大物ゲームデザイナー、トリニティーはティファニーという名の主婦になっていた。
そんな本作に出演した大物監督はというと、ティファニーの夫チャドを演じている。その人物を知っていた方は、チャドという役名に思わずクスッとしてしまったはずだ。そう、『ジョン・ウィック』シリーズでメガホンを撮るチャド・スタエルスキ監督である。
チャド・スタエルスキといえば、元々はスタントマンとして名を馳せた人物。『レザレクションズ』でもトレーニングや振り付けの指導を担当しており、『デッドプール2』(2018)デヴィッド・リーチ監督と率いる世界最高峰のアクション集団87Eleven所属のスタントマンたちも参加している。
スタエルスキ監督の出演の経緯こそ未だ明かされていないが、“チャド”という役名を与えられている上、ストーリー後半ではある意味見せ場も作っているから、カメオ出演というには違和感がある。『ジョン・ウィック』で共にしているキアヌ・リーブスとの友情出演と呼んだほうが適切なのだろうか。
ともあれ、スタエルスキ監督が『マトリックス』と関わりの深い人物であったことをご存知だろうか。実は、1999年の第1作『マトリックス』と2003年の第2作『マトリックス』で、キアヌ・リーブスのスタントダブルを務めていたのがスタエルスキ監督なのだ。さらに、ネオvs大量のエージェント・スミスの最終決戦が有名な『マトリックス レボリューションズ』では、スタント・コーディネーターを担ってもいる。
『マトリックス』シリーズのアクションにおける立役者とも言えるスタエルスキ監督。興味深いのは、そんなスタエルスキ監督が物語の終盤でキャリー=アン・モス演じるトリニティーにボコボコにされるということ。ある意味シニカルなこの役どころにどのような意図が込められていたのか、ラナ・ウォシャウスキー監督やスタエルスキ監督本人に尋ねてみたいところである。