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『ターミネーター:ニュー・フェイト』サラ・コナー役リンダ・ハミルトン、なぜ出演を引き受けたのか ─ 決め手は「27年間」という歳月

ターミネーター:ニュー・フェイト
© 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

アーノルド・シュワルツェネッガー主演『ターミネーター』シリーズの最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、傑作『ターミネーター2』(1991)の正統続編であり、シリーズを生んだジェームズ・キャメロンが製作・担当した作品だ。最大の見どころは、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンがシリーズへの完全復帰を果たすことである。

これまで「脚本が魅力的でない」として『ターミネーター』シリーズへの復帰を拒んできたリンダは、なぜ『ニュー・フェイト』で再びサラ・コナーを演じると決意したのか。米Total Filmでは、その理由の一部が語られている。

「またサラ・コナーを演じる気はないのか、と今まで聞かれ続けてきました。そのたびに、いつも“老いぼれのサラってこと?車椅子に乗ったりして?”なんて答えてきたんですよね。私はサラのことを、生き地獄を味わっている、傷を負った女性だと考えています。だから演じ続けていたい人物ではないし、演じないことが寂しくなるものじゃない。少々負担のかかる役なんです。」

この言葉こそ、これまで復帰を断ってきた「脚本が魅力的ではない」との理由に隠されている真意のひとつだろう。実際、キャメロンがプロデューサーとして復帰する本作でさえ、リンダは6週間ほど返答に悩んだというのだ。「今はセレブリティと関わらず、静かで豊かな生活をしていますから、それを引き換えにしてまで出るのかということを考える必要があったんです」。

ターミネーター:ニュー・フェイト
2019年7月、サンディエゴ・コミコンに登場したアーノルド・シュワルツェネッガーとリンダ・ハミルトン © 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

キャメロンからの催促の電話を経て、リンダは2018年初頭に出演契約を結んだ。「正直に言うと、『ターミネーター2』で物語は終わったと思っていました」と語るリンダは、ある思いをきっかけに出演を決めたという。「あれから人生を27年間過ごしてきて、私にも言えることがもっとあるのかもしれないな、と思ったんです。もう過去の私とは違うんだということを受け入れて、自分は大きく変わったのだと自覚することが大事でしたね」

では、『ニュー・フェイト』のサラ・コナーは長い時間を経て、今では何を考え、どのように生きているのか。リンダは「幸せなおばあちゃん、というわけではありませんね。スタイルを見るだけでも」と笑い、企画段階ではさまざまな可能性を自ら検討したことも明かしている。

「完全にアルコール依存症になっているという設定は考えましたし、(実現していれば)私個人としては素晴らしいものになったんじゃないかと思います。それから、“太ってるって設定なら私が鍛える必要はないんじゃないの?”なんて。そういうのもビックリしませんか? ただ、誰も賛成してくれませんでしたけどね。自分がぷくぷくに太ってるイメージはあったんだけど。」

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』は2019年11月8日(金)全国ロードショー

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Source: Total Film

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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