『ターミネーター:ニュー・フェイト』シュワちゃんがCGで若返らなかった理由とは ─ 監督「検討の余地なかった」

『ターミネーター』シリーズの最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』には、T-800役のアーノルド・シュワルツェネッガーとサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが揃って復帰する。傑作『ターミネーター2』(1991)から直結する物語となる本作には、ハミルトンのみならずシュワルツェネッガーも現在の姿で登場。しかし、もとよりT-800はアンドロイドなのだから、何も年老いた姿で登場させる必要はないのではないか?
ジェームズ・キャメロンからの信頼を受けて登板した『デッドプール』(2016)のティム・ミラー監督は、このたびそんな疑問に真っ向から回答。米Men’s Healthのインタビューでは、シュワルツェネッガーをデジタル処理で若返らせることについて「検討する余地はなかった」と語られている。
「デジタルのアーノルドは作りたくなかった、そのことは確かです。ある一定の年齢に達した人物が、英雄的であることを求められる、そのリアリティを大切にしたかった。その点が非常に気に入ったところなんです。僕は『勇気ある追跡』(1969)や『オレゴン魂』(1975)のような物語が好きで、傷を負ったヒーローのほうが、若いヒーローよりも面白いと思っています。僕にとっては(年老いたヒーローこそ)完璧。」
おそらく『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、近年の作品でいえば『LOGAN/ローガン』(2017)のような、一度はキャリアを終えた人物を描く物語になっているのだろう。T-800はもちろんのこと、サラ・コナーも近い役割を担って登場するものとみられる。実際にMen’s Healthの紙面には、『LOGAN/ローガン』に大きな影響を与えた、クリント・イーストウッド主演の西部劇『許されざる者』(1992)の名前も挙がっているのだ。

ちなみにミラー監督は、年を重ねたシュワルツェネッガーのビジュアルについて「素晴らしい見た目」だと賛辞を贈っている。「セットにはたくさんの女性がいましたが、誰もが“今までのアーノルドで一番いい”と言ってました。ミスター・オリンピア(編注:ボディビル選手権)に出ていた頃、神様のようだった頃とは違いますが、今の彼にも特別なものがある。非常に堂々たるものがありますよ」。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』は2019年11月8日(金)全国ロードショー。
Source: Men’s Health