クリストファー・ノーラン、ロサンゼルスの映画館に登場 ─ 約1年ぶりの営業再開、初日に足運ぶ

2021年3月15日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて映画館の営業がついに再開された。再開初日、『TENET テネット』(2020)のクリストファー・ノーラン監督も映画館に足を運んでいる。米NBC Newsが報じた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ニューヨークとロサンゼルスでは2020年3月17日(現地時間)から映画館の営業が停止されていた。アメリカ国内の各地では営業が順次再開されていたものの、大都市であるニューヨークとロサンゼルスでは再開が認められず、ハリウッドのスタジオ各社は大作映画の公開を中止・延期する判断を余儀なくされていた。
ノーランは米国の映画館が営業中止となったあと、すぐに映画業界・映画館業界の支援を表明するエッセイを発表したことで知られる。その後も連邦議会への嘆願書に名前を連ねる、長らくタッグを組んできたワーナー・ブラザースが劇場・配信の同時展開戦略を発表するや抗議の意を示すなど、徹底して映画館をサポートする姿勢を貫いてきた。2020年9月には、大都市に先がけて営業を再開した映画館にも足を運んでいる。
このたびノーランが訪れたのは、米国最大の映画館チェーン・AMC Theatresがロサンゼルスに構える最大規模の劇場のひとつ「AMC Burbank 16」。米国の映画館チェーンは長期にわたる経営悪化にさらされ、AMCも破産が危惧されていた。この日、劇場ではノーランの姿が取材のカメラにはっきりと捉えられ、観客からの目撃証言もSNSに相次いでいる。ノーランが鑑賞したのは、ダニエル・カルーヤ&キース・スタンフィールド出演『Judas and the Black Messiah(原題)』だったという。
For those asking, he was watching Judas and the Black Messiah
— corinne_perkins (@corinne_perkins) March 16, 2021
ロサンゼルスで映画館の営業が再開されたことは、映画業界にとって非常に大きな一歩といえる。スタジオは大都市圏での上映が見込めない、すなわち興行的な成功が難しいことから大作映画の公開を延期するという判断を下してきたためだ。アメリカではワクチン接種も進んでおり、少しずつ事態に光明が見えてきた。ニューヨークでも映画館の営業再開が進んでいるだけに、いよいよ業界の回復に期待が高まっている。