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【ネタバレ】実写「ONE PIECE」第6話解説 ─ サンジ&ゼフの感動シーンと、原作からの細かな変更点

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One Piece. (L to R) Iñaki Godoy as Monkey D. Luffy, Jacob Romero Gibson as Usopp, Taz Skylar as Sanji in season 1 of One Piece. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

この記事には、「ONE PIECE」第6話『THE CHEF AND THE CHORE BOY』のネタバレが含まれています。

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Netflixシリーズ「ONE PIECE」8月31日(木)世界独占配信 / (C)尾田栄一郎/集英社

「ONE PIECE」第6話『THE CHEF AND THE CHORE BOY』解説

「ONE PIECE」第6話『THE CHEF AND THE CHORE BOY』はルフィ&ナミ&ウソップが、ミホークとの決闘に敗れたゾロを船内に運ぶところからスタート。その後ルフィは「バラティエ」に戻り、サンジとゼフにゾロを助けてほしいと頼む。最初は断るゼフだったが、サンジに「食いてェ奴には食わせる」と同じで助けるべきだ、と言われ協力することに。原作にも登場するこのセリフの重みは、このあと明らかとなる。

ゼフがゾロに応急手当をした後、次に何が必要か考えをめぐらせるルフィ。その葛藤に気付いたサンジは、「船長の重要な役割は決断すること」だというゼフの考えを紹介する。ここで、かつてゼフがクック海賊団の元船長、“赫足のゼフ”だったことが明らかに。その名の由来は「靴が敵の血に染まっていた」ことだが、現在彼の右足には義足がついている。

時は9年前の東の海(イーストブルー)に遡り、幼いサンジが客船の厨房で働いている。第5話で話していた“オールブルー”について口にすると、同僚たちから「おとぎ話」だとバカにされる。そこにクック海賊団が乗り込み、船長のゼフに殺されそうになるサンジ。オールブルーを見つけるまで「死なねェぞ」と抵抗した瞬間、船は嵐に巻き込まれ転覆してしまう。

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COURTESY OF NETFLIX

サンジが目を覚ますと、何もない岩山にゼフとふたりで取り残されていた。そしてゼフから食料が入った袋を受け取り、二手に分かれて船が通るのを見張ることに。ゴツゴツした岩山を引きでとらえた画は、原作のコマとほぼ同じである。

小分けにした食料で、何日も空腹をしのぐサンジ。やがてすべてなくなり、70日目にゼフから食料を分けてもらうため、ナイフを持って彼の元へ向かう。しかし大きく膨らんだ袋を切り裂くと、中にあるのは食料ではなく宝だった。よく見ると、ゼフは右足を失っている。すべての食料をサンジに譲り、自分は足を食べて生き延びていたのだ。

「食いてェ奴には食わせる」という言葉は、85日間も空腹で過ごした壮絶な経験がもとになっている。そしてゼフがサンジを生かした理由は、“オールブルー”を探すという、自分と同じ夢を持っていたからだ。ゼフ自身の時間は尽きたため、サンジに夢をかなえてほしいという。

ちなみに原作では、ここで「バラティエ」誕生のきっかけも語られている。こうした危機にあう度に「海のまん中にレストランでもあったら」と考えていたゼフは、ここから脱出したらレストランを建てると宣言。サンジは泣きながら「おれも手伝う」と言い、その15日後に救出される、というものだ。

一方ゾロのそばでは、ナミが「うそつきノーランド」を読み聞かせしていた。これは原作の空島編に登場する絵本で、王様に「黄金を見た」と話した男がウソつきの罪で処刑される物語。ドラマ版では、このエピソードのテーマでもある「決断」を問う材料となっている。よって、ルフィが「なぜ王様は処刑したんだ」と聞くと、ナミは「責任のある立場の者は究極の決断が必要」と伝える。そしてゾロの戦いを止めなかったルフィを責め、怒って部屋を出て行ってしまう。

そのころ「バラティエ」にはアーロン一味が到着し、ゼフに麦わらの海賊を出せと伝える。ゼフはしらばっくれて、無料でメニューを提供することで事を収めようとするが、アーロンはルフィを出さなければ客たちを殺すと脅す。その様子を陰から見ていたナミは船に戻り、ルフィにアーロン一味が探しに来たから逃げなきゃ、と警告。海図を渡さなければ店を壊されると伝えるが、ルフィはサンジに恩を返すため店を守るという。

ウソップ&サンジとともに店に戻ったルフィは、まずなぜ居場所がわかったのかアーロンに聞く。するとアーロンの手下が、袋からバギーの頭部を取り出す。バギーは片耳をルフィの帽子のリボンにひそませ、ずっと盗み聞きしていた模様。ちなみに原作におけるバギーの能力は操作空域(直径200バラバラ)が決まっているが、実写版ではより自由に操作できるようだ。

アーロンは偉大なる航路(グラインドライン)への海図と奉具を要求。ルフィが拒否すると戦闘態勢に入り、その瞬間ゼフがアーロンに発砲。すぐさまアーロンの手下がゼフを攻撃し、怒ったサンジは足技で加勢。ルフィも“ゴムゴムの銃”を繰り出す。しかし魚人は圧倒的な力を持ち、ふたりとも吹っ飛ばされてしまう。

やがてルフィとアーロンの戦いは、店の外に飛び火。アーロンはルフィに“打水”をお見舞いすると、鋭い牙で噛みつこうとする。そこにやって来たナミが「待って!アーロン」と止め、約束どおり海図を盗んできたと報告。彼女の腕には、アーロン一味のタトゥーが刻まれている。ナミはルフィに「仲間じゃない。一時的に手を組んだだけ」と告げ、アーロンにはルフィは悪魔の実の能力者だから海に投げ捨てるよう助言。その後、ルフィは溺れかけているところをサンジに救われる。

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One Piece. (L to R) Iñaki Godoy as Monkey D. Luffy, Jacob Romero Gibson as Usopp, Taz Skylar as Sanji in season 1 of One Piece. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

アーロンに荒らされた店内をサンジが掃除していると、ゼフは「何をしているんだ」と突っかかる。ここで、ゼフが今までサンジに厳しかった理由は、夢を追わない彼に腹を立てていたからだと判明する。「夢を持ってても追わなきゃ意味がない」と言われたサンジは怒り、ルフィの誘いを受けると言って出て行く。

この流れは、原作と少し異なる。原作では“オールブルー”の話を嬉々として語るサンジを見かけたゼフが、店のスタッフと協力し、サンジの料理をけなすことで店をやめるよう仕向ける。そんな裏事情を知ったサンジは、ようやく海に出ることを決心するのだ。

ルフィはゴーイングメリー号に戻ると、眠っているゾロに向かって魚人との戦いを振り返る。そしてナミと海図を失ったこと、ゾロまで失うかもしれない恐怖を打ち明けると、ついにゾロが目を覚ます。ナミが去ったのは自分のせいだと話すと、ゾロは否定し、「船長として決断した」と伝える。これには、ゾロとミホークの決闘を止めなかった「決断」も含まれているだろう。そしてルフィは次に、ナミを信じて追うことを決める。

サンジはコックとして一味に加わり、ゴーイングメリー号に乗り込む。ゼフとはケンカ別れしたままだ。しかしメリー号が出航すると、ゼフはサンジを呼び、「カゼひくなよ」と一言。これに胸を打たれたサンジは、「長い間クソお世話になりました!御恩は一生忘れません!」とゼフに感謝を述べる。原作屈指の感動シーンが、ほぼ完璧な形で再現されている。

最後にルフィは、ナミの行先を聞き出すため、ある人物を連れてきていたことを明かす。見覚えのある袋を開けると、「よう!ヤローども!」とバギーの頭部が陽気に現れる。

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One Piece. Jeff Ward as Buggy The Clown in season 1 of One Piece. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

原作でバギーが再登場するのは、アーロン戦を終えた後。ドラマ版では、アーロンパークへの案内係を担うことで、早くも“敵なのに憎めないキャラ”として存在感を放っている。

Netflixシリーズ「ONE PIECE」は配信中。

Writer

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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