「世界中のお母さんに捧げる」「諦めないで」『エブエブ』アカデミー賞主演女優賞ミシェル・ヨーのスピーチ全文

2023年（第95回）アカデミー賞では、A24『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が最多7部門受賞を果たした。作品賞のほか、主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞、監督賞、脚本賞、編集賞も獲得。エヴリン役で主演女優賞を獲得したミシェル・ヨーは、アジア人として同部門史上初の快挙。また、賞レースにほとんど縁のなかった彼女のキャリアにとっても極めて重要な日となった。

60歳となるミシェル・ヨーは会場で、主演女優賞の名が呼ばれると感激しきりの様子で壇上にあがった。輝かしいオスカー像を抱き、声を震わせながら、次のようにスピーチした。

「ありがとう……。私のような見た目の男の子たち、女の子たち、見ていますか？（オスカー像を掲げて）これは、みなさんの希望の証、夢は実現するという証です。そして、女性のみなさん、誰にも『歳を取り過ぎた』なんて言わせてはいけません。諦めないで！

（拍手喝采を受けて）

（監督の）ダニエルズ、A24、素晴らしいキャストとクルー、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に関わった全ての方々がいなければ、今日私はここに立っていません。

（呼吸を整えて）この受賞を私の母に、そして世界中のお母さんたちに捧げます。なぜなら、彼女たちこそがスーパーヒーローだからです。彼女たちがいなければ、今夜ここにいる全員もいなかったでしょう。

（拍手喝采を受けて）

あぁ……。母は84歳です。このトロフィーを、母の元に持ち帰ります。今頃、家族や友人と一緒にマレーシアで中継を観ているでしょう。（投げキッスをして）みんな愛してるよ。これをみんなのところに持って帰るからね。

それから、私のキャリアの原点である香港の拡大家族にも。私を重じてくれて、助けてくれてありがとう。そのおかげで、私は今日ここにいます。それから、私の名付け子たち、姉妹たちみんな、兄弟も、家族にも。ありがとう。ありがとう。ありがとうアカデミー。歴史が動いたよ！ありがとう！」

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は公開中。「第95回アカデミー賞授賞式」字幕版は2023年3月13日（月）夜10:00よりWOWOWで放送・配信、3月21日（火）まで WOWOW オンデマンドでアーカイブ配信される。

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