『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』劇中ドラマの西部劇、タランティーノが実現希望 ─ 脚本は5話ぶん完成、「自分で全部撮りたい」

クエンティン・タランティーノ監督最新作、レオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピット主演で話題の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、1969年のハリウッドを舞台に、現実とフィクションが入り乱れる物語だ。ディカプリオが演じるのは、テレビの世界で人気を獲得した俳優リック・ダルトン。代表作は1950年代の終わりから放送された西部劇ドラマ「賞金稼ぎの掟(Bounty Law)」である。
実はタランティーノは、『ワンス~』本編の脚本を書き終えた後、数ヶ月にわたって「賞金稼ぎの掟」の脚本を執筆していたという。当時、“脚本家モード”に入っていたタランティーノは、執筆を中断して『ワンス~』の製作に入るのではなく、「書きたかったものを書き終えることにした」というのだ。米Deadlineのインタビューで明かしている。
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タランティーノ、「賞金稼ぎの掟」実際に作りたい
『ワンス~』執筆のため、タランティーノは「古い西部劇の番組なんかをたくさん観ていた」といい、その過程から「賞金稼ぎの掟」を着想したとのこと。作品の構想を練り、リック・ダルトンについて深めていくうち、「登場人物としてのジェイク・カーヒルが本当に好きになり始めた」という。
「1950年代に作られた、30分の西部劇の脚本をすごく気に入ってきて。始まりがあって、中盤があって、結末がある、物語がぎっしり詰め込まれた24分くらいの脚本を書けるだろうなって思ったんですよ。それに、どんどん深めていく、掘り下げていくというものではないから(執筆は)楽しかったですね。いつか完成させなきゃいけませんね。」

西部劇ドラマの世界に引き込まれたタランティーノは、「賞金稼ぎの掟」のアイデアを十分に気に入っており、すでに5話ぶんの脚本を書き終えているほか、3話ぶんのエピソードもあらすじはできているという。もちろん、せっかく書き終えた脚本の映像化には非常に意欲的だ。ということは、ディカプリオがリック・ダルトンとしてジェイク・カーヒル役を演じる機会がやってくるということなのか…。しかしタランティーノ自身は、ディカプリオの復帰にはあまり期待していないようである。
「レオナルドがやりたがってくれるとは思えないですね。別の誰かをキャスティングするのか…もしも彼がやってくれたら最高なんですけど。[中略]あと3話執筆してから作るでしょうね。全部のエピソードを(自分で)撮りますよ。30分ですからね。Netflixでやるのも悪くないですが、映画でやりたい気もしますね。(放送局は)Showtimeでも、HBOでも、Netflixでも、FXでもいいですね。とにかく『賞金稼ぎの掟』やジェイク・カーヒルの物語を作れたことが嬉しいんです。」
現在タランティーノは、『ワンス~』の次回作にあたる長編第10作をもって映画監督を引退する意向。しかし、「賞金稼ぎの掟」をテレビサイズで映像化することは映画監督業からの引退後も十分にありうるわけだ。その一方、「映画でもやりたい」発言は、執筆済みの脚本を長編映画サイズにまとめ上げる可能性も示している。とにかく、すべてはタランティーノの匙加減ひとつだろう。
ちなみに『ワンス~』の撮影に入る以前、タランティーノは「賞金稼ぎの掟」5話ぶんの脚本に加え、戯曲を1本執筆したとのこと。映画監督からの引退後も、創作への意欲が尽きてしまうことは到底なさそうだ。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は2019年8月30日(金)より全国公開中。
Source: Deadline