タランティーノ最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』カンヌ映画祭正式出品決定 ─ 懸命の編集作業経ての追加発表

クエンティン・タランティーノの長編第9作となる、最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が2019年5月14日(火)に開幕する第72回カンヌ映画祭コンペティション部門に正式出品されることが決定した。
カンヌ映画祭のラインナップは4月18日に発表されたが、本作のタイトルは含まれておらず、映画祭代表のティエリー・フレモー氏は報道陣に「まだタランティーノは準備ができていません」とコメント。当時、タランティーノは映画祭に間に合わせるべく編集作業の真っただ中にあったため、「私たちも良い知らせが聞けることを願っています」と語られていたのである。満を持しての追加発表は、映画が無事に完成したことを示しているだろう。

タランティーノは1994年に『パルプ・フィクション』でパルム・ドールを受賞。2004年には同映画祭の審査員長を務めているが、コンペティション部門への出品は『イングロリアス・バスターズ』(2009)以来10年ぶり3度目。レオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーら豪華キャストが揃った本作で、25年ぶりのパルム・ドール受賞となるか、大いに注目されるところだ。
ちなみに本作はタランティーノからハリウッドへのラブレターといわれているが、監督は製作当初からカンヌ映画祭コンペティション部門への出品を念頭に入れていたとのこと。コンペ出品はタランティーノからカンヌへのトリビュートといえる。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
舞台は1969年のロサンジェルス。チャールズ・マンソン一味による女優シャロン・テートの殺害事件と、テートの隣人である落ち目のテレビ俳優と彼のスタントマンがハリウッドで成り上がろうとする様子が描かれる。タランティーノは“ハリウッド黄金時代”の最期を描くため、かつてのハリウッドに郷愁とリスペクトを込め、5年の歳月を費やして脚本を執筆した。
本作では『ジャンゴ 繋がれざる者』 (2012)でタランティーノ作品初出演となったレオナルド・ディカプリオ、『イングロリアス・バスターズ』(2009)でタランティーノ作品初主演を務めたブラッド・ピットが初タッグ。ディカプリオは落ち目のテレビ俳優リック・ダルトン、ピットは彼のスタントマンであるクリフ・ブース役を演じる。人気の新人女優シャロン・テート役には『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2018)のマーゴット・ロビーが起用された。
そのほか『ゴッドファーザー』(1972)のアル・パチーノや『ヘイトフル・エイト』(2015)のブルース・ダーン、『アイ・アム・サム』(2001)のダコタ・ファニング、『X-MEN』シリーズのジェームズ・マースデン、そしてタランティーノ作品の常連者であるティム・ロス&マイケル・マドセン&カート・ラッセルが出演。『イン・トゥ・ザ・ワイルド』(2007)のエミール・ハーシュ、『ダイ・ハード 4.0』(2007)のティモシー・オリファント、『オーシャンズ8』(2018)のダミアン・ルイスら新旧実力派も登場する。先日急逝した「ビバリーヒルズ高校白書」のルーク・ペリーは、映画としては本作が遺作となった。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は2019年8月30日(金)全国ロードショー。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公式サイト:http://www.onceinhollywood.jp/
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Source: IW