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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』未公開シーン追加のテレビ版、ブラッド・ピットが製作の計画を認める

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
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レオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピット主演、クエンティン・タランティーノ最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』に、未公開シーンを追加した“テレビシリーズ版”の計画があるという。クリフ・ブース役を演じたブラッド・ピットが、米The New York Timesの記者に明かした。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』をテレビシリーズとして再編集するとの噂は、本作が米国で公開される以前からささやかれていたもの。このたびピットは、テレビシリーズ化について「タランティーノと話をしましたよ。すごく魅力的なアイデアですよね」と語った。

「シリーズなら、キャラクターやストーリーにもっと時間をかけることができるし、普通なら映画に入らないような角度から掘り下げることもできる。映画の場合、箱(作品)に入らないからというので、たくさん編集室でカットされますからね。だからタランティーノが、『ヘイトフル・エイト』を表向きはテレビシリーズとして作り直したのは興味深いですよ。2つの意味でベストだと言っていいと思うんです。映画を観るという体験は存在するけど、そこにはシリーズのフォーマットにある内容は入れられないわけですから。」

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

ブラッドが言及しているように、タランティーノは2019年4月、『ヘイトフル・エイト』(2015)に20分間の未公開映像を追加し、全4話構成のミニシリーズとして米Netflixで発表した(2019年9月6日現在、日本では未配信)。米/Filmにて、タランティーノは「(『ヘイトフル・エイト』は)映画として存在するけれども、撮影した映像をすべて使えるなら、エピソード形式でまとめ上げることができるなら、やってみようと思ったんです」と語っている。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』もまた、多くのシーンがやむなくカットされている作品だ。たとえばデイモン・ヘリマン演じるチャールズ・マンソンや、主人公リック・ダルトンと共演する子役トルーディ(ジュリア・バターズ)の出番は短縮されたというし、タランティーノ作品の常連者ティム・ロス、故バート・レイノルズを演じていたというジェームズ・マースデンに至っては登場シーンをまるごとカットされているのだ。テレビシリーズ化の暁には、映画本編で観られなかったシーンをたっぷりと味わうことができるかもしれない。

もっとも留意すべきは、ブラッドも、『ヘイトフル・エイト』を再編集した当時のタランティーノも、あくまで作品は“映画ありき”だと強調していることだ。もとより映画として構想され、映画館で観られることが第一に考えられていることは、大の映画オタクとして知られるタランティーノである、おおよそ間違いないだろう。ブラッドも、現代の若者が映画よりもテレビシリーズに親しんでいることに理解を示し、共存を促しつつも、「僕は(映画館で)夢中になる体験が大好きなんです。(滅びゆく)恐竜みたいな存在なのかもしれないけど」「僕は今後も映画という形式を強く求めていきますよ」と話しているのだ。

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は2019年8月30日(金)より大ヒット公開中。とにかく、まずは劇場へ!

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Sources: Kyle Buchanan, /Film, IW

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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