『ワンダーウーマン』監督、『ジャスティス・リーグ』続編は「しばらく作らないでほしい」
『ワンダーウーマン』(2017)および続編『ワンダーウーマン 1984(邦題未定、原題:Wonder Woman 1984)』のパティ・ジェンキンス監督は、DCヒーローが集結した『ジャスティス・リーグ』(2017)の続編製作には現時点で消極的なようだ。米The Hollywood Reporterにて、パティ監督は胸中を語っている。

「それぞれのヒーローが輝ける時間を作るべき」
2017年『ワンダーウーマン』、2018年製作『アクアマン』(2019年2月8日公開)。ワーナー・ブラザースによるDCコミックス原作映画は2作連続で大ヒットを記録、批評面においても優れた成果を示した。『ジャスティス・リーグ』(2017)を手がけたザック・スナイダー&ジョス・ウェドンがDC映画ユニバースを去った今、続編を作れるのはパティ監督か『アクアマン』のジェームズ・ワン監督ではないか……。
インタビュアーに『ジャスティス・リーグ』続編について尋ねられたパティ監督は、ヒーローをクロスオーバーを作ることの難しさに言及しながら、今はまだ時期尚早との考えを明らかにしている。
「『ジャスティス・リーグ』や、ああいう(ヒーローの共演する)映画はものすごく難しいと思っているんです。登場人物はそれぞれよくできていて、素晴らしいんですが、その全員をひとつのタイムラインで同時に登場させるわけなので。私は、『ジャスティス・リーグ』をしばらく作らないでほしいと思っています。だって、それぞれの映画を観るのを楽しみにしていますから。『アクアマン2』や『フラッシュ』を観たいですね。」
監督は『ジャスティス・リーグ』続編を自ら撮る可能性について「絶対にないとは言いません」とも述べている。しかし、あくまで現時点では「(ヒーローの)それぞれが輝ける時間を作るべきですよ」との意思を強調した。
DC映画ユニバースで現在展開されている作品やストーリーのうち、単独映画としての継続性が担保されているのは『ワンダーウーマン』のみ。スーパーマンの物語は『マン・オブ・スティール』(2013)から『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)へと繋がっており、バットマンに至っては、マット・リーヴス監督による単独映画にベン・アフレックが携わるかどうかも不透明だ。

『ジャスティス・リーグ』以後、ワーナーはユニバースとして世界観を共有することに軸足を置くのではなく、個別の作品に注力する戦略を採用しているという。独立性の高い『アクアマン』は世界的大ヒットを収めて続編企画が進行しているほか、つづいて登場する『シャザム!』(2019年4月19日公開)も「非常に独立した作品」となる。サイボーグの単独映画化企画については続報が聞こえてこないが、『ザ・フラッシュ(仮題)』も準備が進行しており、長いスパンで単独作品の充実化が図られているのである。
今後ふたたび『ジャスティス・リーグ』が製作されることがあるとして、そこに前回登場したヒーローたちが全員集まるかどうかはわからない。しかしその時には、きっと個性あふれる顔ぶれが揃っていることだろう。『ジャスティス・リーグ』を「しばらく作らない」時間のぶんだけ、DC映画ユニバースは次なるクロスオーバーへの準備を整えることになる。
Source: THR