PS4ゲーム『スパイダーマン』製作者、「笑ってもらえるか不安だった」 ─ ユーモアも試行錯誤の連続

スパイダーマンを主人公とするPS4®用ソフトウェア『Marvel’s Spider-Man』は、コミックファンを唸らせる世界観やストーリーの作り込みと、映画・ゲームファンを十分に満足させる快感や楽しさで大きな支持を獲得した。しかし「スパイダーマン」作品の特徴は、その軽妙なトーンにもある。製作者たちはそのバランスに苦戦を強いられていたようだ。
2018年2月12日(米国時間)、全米インタラクティブ芸術科学学会の主催するサミット「D.I.C.E.」に、本作でクリエイティブ・ディレクターを務めた米Insomniac Gamesのブライアン・インティハー氏が登場。製作中、ユーモアに苦しめられたエピソードを語っている。

“ユーモアは、スパイダーマンというキャラクターの要”。パネルイベントにて、インティハー氏は繰り返し強調していたという。そのことを肝に銘じているがゆえに、製作中は自身のシナリオを疑い続けていたようだ。
「まだストーリーが完全に固まっていないころ、“この話は本当に笑ってもらえるのだろうか?”という心配がありました。もっとユーモアを足さなきゃいけないんじゃないかって。当時できていなかった部分が仕上がっていって、わかったところがありましたね。“大丈夫、まったく問題ないものになる”と。」
インティハー氏ら製作チームは、自身の求めるストーリーを組み立てながら、そこに足りないものに気づいた時点で物語を作り直していったという。まさに試行錯誤の繰り返しというわけだが、結局のところ、ごく些細な部分がポイントだったことも少なくなかったようだ。
「すでに出来上がっている場面の最後に、たった15秒のシークエンスを付け加えたり、あるいは冒頭に何かを足してみたり。結局のところ、そういう作業が役に立ったんですよ。」

『Marvel’s Spider-Man』ではマーベル・ゲームズの精鋭が監修にあたり、製作はソニー・インタラクティブエンターテインメントが強力にサポートした。本作がリリースされたのは2018年9月だが、完成版にかぎりなく近いものが出来上がったのは同年7月。その直前にあたる2018年春の時点では、まだ新しいシーンを作っていたという。マーベル映画と同じく、製作チームはギリギリまで粘っていたのだ…!
「(ソニーから)これほどサポートしていただけるなんて信じられませんでした。僕が“これもやらなきゃいけないんです”と言ったら、ソニーのみなさんは“やってくれ”と。最後までそう言ってもらいましたし、僕たちはその通りに進んで(作品を)完成させた。これほど支えてもらえるなんて、とんでもないことですよ。ソニーのようなパートナーがいたことが、良いプロジェクトになった理由のひとつですね。」
PS4®用ソフトウェア『Marvel’s Spider-Man』は発売中。製作チーム入魂のシナリオを、ぜひ隅々まで味わってほしい。
公式サイト:https://www.jp.playstation.com/games/marvels-spider-man/
Source: IGN