フローレンス・ピュー、マーベル映画出演でインディー映画界隈から「二度と戻ってこれないだろう」と言われていた

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『ブラック・ウィドウ』(2021)などで暗殺者エレーナ役を演じるフローレンス・ピューは、MCUに参加する際、インディペンデント映画界隈からとある嫌味を言われていたようだ。
ピューは、『ブラック・ウィドウ』のエレーナ役でMCU初登場を果たすと、「ホークアイ」(2021)に続き、2024年7月米公開のヴィラン集結映画『サンダーボルツ(原題)』でも同役を再演する。
MCU参戦前は、『レディ・マクベス』(2016)やカルト・ホラー映画『ミッドサマー』(2019)などに出演し、そのフィルモグラフィには小規模な作品が目立っていたピュー。そんな原点へ戻るかの如くピューは、2023年5月公開のザック・ブラフ監督によるインディー映画『A Good Person(原題)』に主演する。
米Total Filmの取材でピューが語ったところによると、「最初にマーベルと契約した時、インディー映画界の大勢の人から、“もう二度と小規模の映画には戻れないだろう”と言われた」そうだ。そのことを思い出すと「いつも心が痛む」と明かし、こう続けている。
「なぜなら、どんな種類の映画にも美しさがあると思うからです。『DUNE/デューン 砂の惑星』やマーベル映画、『オッペンハイマー(原題)』のような作品にも、大規模で壮大なストーリーに美しさがありますよね。これらは素晴らしい超大作映画です。
そして、誰もが観るわけではないけど、時と人を選んで影響を与えるような小さな映画にも美しさがあります。私はこれまで、ひとつのタイプの映画だけを作ろうと思ったことはありません。常に、すべての分野に取り組みたいと思っていますから。」
インディー映画の人々は、ピューが商業的かつ超大作のMCU作品に出演すると、業界から俳優として今までとは違った目で評価され、作家性や芸術性が高い映画や、リスクに挑んだ型破りな小規模映画での居場所を失うと警告したかったのだろう。
ここ近年、マーティン・スコセッシやフランシス・フォード・コッポラ、ジェームズ・キャメロンといった巨匠もマーベル映画を痛烈批判。クエンティン・タランティーノが、マーベル映画の出演者に対して「映画スターじゃない」と批判したことも話題となった。
しかし、「どんな映画にも美しさがある」と訴えるピューは、そういった批判とは哲学を異にしているようだ。実際のところ、ピューはMCU作品2本に出演した後、インタビューでも言及した、娯楽大作だが芸術性も高い『DUNE』の続編『Dune: Part Two(原題)』、実話を基にしたシリアスな作品『オッペンハイマー』に出演。小規模な映画『A Good Person』にも主演しているわけで、今後も大作やスーパーヒーロー映画、インディ作品など分け隔てなく、「すべての分野に取り組む」という自身の哲学に従い、多種多様のジャンルにチャレンジしていくのではないだろうか。
ピューが出演する『A Good Person(原題)』は2023年3月24日に、MCU映画『サンダーボルツ(原題)』は2024年7月26日に米国公開。
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Source:Total Film