『スパイダーマン:スパイダーバース』監督、東映版スパイダーマンを熱く語る ─ 「完全に独自の世界を築いている」

様々なスパイダーマンが集結したアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)監督のひとりピーター・ラムジーが、インタビューで“東映版スパイダーマン”をアツく語っている。
“東映版スパイダーマン”とは、1978〜1979年に日本で放送され、近年ではインターネット・ミーム(スパイダーマッ)としてもカルト的人気を誇る存在。日本の特撮ヒーローを思わせる世界観で描かれた東映版には、後のスーパー戦隊への先駆けとされるオリジナル巨大ロボット「レオパルドン」も登場。いまや海外のファンからも愛されており、映画の原案コミック『スパイダーバース』にも、東映版スパイダーマンこと山城拓也とレオパルドンは登場していたのである。
実は2018年公開の『スパイダーバース』にも、レオパルドンが密かに登場していた。プロデューサーのフィル・ロードは、予定されている続編に東映版スパイダーマンが登場することを認めているのだ。
この度新たなインタビューに応じたピーター・ラムジーは、続編での活躍が期待される ”ジャパニーズ・スパイダーマン”についての新情報をねだられると、開口一番「すぱいだめぇん!(Supaida Man)」と日本語で発音。「彼(フィル・ロード)が(日本版スパイダーマンを)映画で使うのか、どう使うのかは存じ上げません」と明言を避けてから、「彼(日本版スパイダーマン)に詳しく親しんでいるわけではないけれど、マーベル・コミック版とは根本的に違うところが面白いですよね。すごくマンガ的で、完全に独自の世界を築いている」と評した。
「どんなアーティストでもライターでもあの独自性には引き込まれてしまう。ジャパニーズ・スパイダーマンだろ?もちろん100%乗るよ!みたいね。そこがスゴい。スーパー・シリアスなジャパニーズ・マンガ。すごくエモーションを感じます。」
続けて「全く別キャラクターですが、『スパイダーバース』1作目のテーマやトーンには合うと思いますか?」と尋ねられ、「なんとかすれば!」と答えた。
「あの映画はバラバラの要素がありながら、根底ではひとつの共通テーマがありましたよね。『スパイダーバース』は、本質的なところさえ繋がっていれば、キャラクターのバージョン違いは問題になりません。」
東映版スパイダーマンは、Disney+(ディズニープラス)配信のドキュメンタリーシリーズ「Marvel’s 616」でもまる1エピソード使ってフィーチャーされるなど、国内外での注目度をにわかに集めている。果たして”鉄十字キラー”スパイダーマッ!は、『スパイダーバース』続編でいかなる暴れっぷりを見せてくれるのか。
『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編には、『インクレディブル・ファミリー』(2018)『リメンバー・ミー』(2017)のストーリー・アーティストであるオクタヴィオ・E・ロドリゲスも参加。製作総指揮にはフィル・ロード&クリス・ミラーが続投している。ミラーいわく、本作でも製作陣は「画期的なアートの手法」を再開発しており、観客を驚かせた前作でさえ「古めかしく見える」映像になるという。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』続編(タイトル未定)は2022年10月7日に米国公開予定。
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