ロバート・ダウニーJr.、「トム・ホランドの前にも後にもスパイダーマンは存在する」 ─ 後輩俳優への冷静な後押し「ほかの人生もある」

実写映画版『スパイダーマン』の3代目スパイダーマンを踏襲したトム・ホランドは、最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(原題:Spider-Man: No Way Home)』をもって、現時点におけるマーベル・スタジオとの契約を満了する。この事実をホランド自身が明かして以降、さっそくファンの間では再契約を望む声が続出しているが、『アイアンマン』シリーズで知られるロバート・ダウニー・Jr.は、これについて冷静な考えを持っているようだ。
2014年、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版『スパイダーマン』シリーズの主演に抜擢されたホランドは、ダウニーやキャプテンアメリカ役のクリス・エヴァンスら、MCUの先輩俳優のサポートを受けながら同役を全うしてきた。2021年3月現在24歳のホランドは、出演契約の満了を迎えるにあたって「必要であれば戻ってくる」意向を示しているが、『ノー・ウェイ・ホーム』後の予定については未定となっているのが現状だ。
こうした中、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)をもって、一足早くMCUから退いたダウニーは、自らの経験を踏まえた上で、これまで受け継がれてきたスパイダーマン俳優を巡る少し先の未来を語っている。英British GQのインタビューに応じたダウニーは「トムが37歳になってもスパイダーマンを演じているなんてことは無いでしょう。少なくともそうでないと願っていますよ」と発言。ホランドがこれから歩むキャリアを後押しする形で以下のように続けている。
「MCUに身を置くと、全人生がそれに始まりそれで終わるような感覚があります。けれど、それ以外の人生もあるんです。これだけは言えますよ。僕はその場を経験し、(役を)終えて、Tシャツをもらいました。面白いものです。前にマリブかどこかでキアヌ・リーブスと出くわしたんですけど、また『マトリックス』の撮影に参加しているんだと彼は言っていました。かつて席巻した世界へ再び戻ったわけですね。僕が、それはどんな気持ちなのかを聞いたら、彼は“オーストラリアにいるみたいだ”って※。つまり何が言いたいのかっていうと、トム・ホランドの前にもスパイダーマンはいましたし、トム・ホランドの後にもスパイダーマンがいるってことです。残念だけど、これは事実ですから。」
※キアヌ・リーブスは幼少期にオーストラリアに居住していた。恐らく『マトリックス』での再演を自らの出自と重ねているものと思われる。
MCUの開幕作でもある『アイアンマン』(2008)から『エンドゲーム』までの約11年間をアイアンマン役に捧げてきたダウニー。同役を離れてからは、俳優業に加えてプロデューサー業にも精を出している。こうした“その後”の歩みを含め、経験豊富なダウニーにしてみれば、20代で成功を収めたホランドを待つ今後のキャリアには、まだまだ様々な可能性が待っているということだろう。
ところで、役の継承について言及したダウニーだが、アイアンマン役の再演についての現在の心境はというと、「ありえないことはない(never say never)」とのこと。同じくMCUから卒業を発表していたキャプテン・アメリカ役のエヴァンスに関しては、さっそく復帰報道も伝えられている。仮に『ノー・ウェイ・ホーム』をもってホランドがスパイダーマン役を一旦卒業したとしても、MCUが続く限り再演が叶うこともあるかもしれない。
Source: British GQ