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『アイアンマン』は世界を変えるか – Facebookザッカーバーグ開発のJARVISを通じて子どもたち救援の可能性

ポップカルチャーは世界を変える。

FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグは2016年1月、『今年の目標』として「アイアンマンのJ.A.R.V.I.S.のような人工知能を作る」と宣言していた。僕たちが愛するマーベル・シネマティック・ユニバースに登場した偉大なるアイデアは、21世紀最高の天才のひとり、ザッカーバーグによって現実のものとなろうとしていた。

1月時点でザッカーバーグは、実現させるAIの機能として「既存の技術を活用し、音声認識によって音楽や証明、室温など家の中のありとあらゆるものをコントロールできるようにする。友人の顔を覚えさせて、玄関のベルが押された時に案内させる。僕が娘の近くに居れないとき、娘の部屋で異変があれば知らせてくれるようにする。それから仕事の面では、より良いサービス構築と従業員の生産性向上のために、VRを使ってデータのビジュアル化をやってもらう。」と説明していた。まさにトニー・スタークである。

さて、そんな『リアル・トニー・スターク』とも呼べるマーク・ザッカーバーグの革新的な目標は順調に進行していたようで、この度ザッカーバーグは自身のFacebookに以下のような問いかけを投稿した。

「そろそろ僕のAI、Jarvisに声を与える時だな。誰に頼もうかな?」

Facebookユーザーが「ロバート・ダウニー・Jr.がいいよ」「ベネディクト・カンバーバッチもいいよ」とあれこれ盛り上がる中、なんとロバート・ダウニー・Jr.が登場。以下のようなコメントを直接書き込んだ。

「もしベタニーがギャラをもらえて、(ベネディクト・)カンバーバッチの選択に寄付するなら直ぐにでもやるよ。これぞまさにストレンジ!」

ベタニーとはもちろん、映画シリーズでJ.A.V.I.S.の声優を務めるポール・ベタニーのことだ。『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』で、J.A.V.I.S.から生み出されたヒューマノイド、ヴィジョン役も演じていることは説明するまでもないだろう。

カンバーバッチの選択?

そしてカンバーバッチについては、こちらも言うまでもなくドクター・ストレンジを演じるベネディクト・カンバーバッチのこと。それはいいが、ロバート・ダウニー・Jr.の言う『カンバーバッチの”選択”』とは一体何のことだろう?

実はカンバーバッチは、マーベルと共に『マーベル・スタジオ:ヒーロー・アクツ』というチャリティ・プログラムを発足している。これは、プログラムの公式サイトに用意されたマーベル・ヒーローたちのフォト・フレームと共にセルフィーを投稿すると、投稿1件につき各5ドル、最高で100万ドルをマーベル・スタジオがセーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)に寄付するというもの。ちなみにセーブ・ザ・チルドレンとは1919年にイギリスで設立された非政府組織(NGO)で、危機にある世界中の子どもたちを救援するために活動している。

ロバート・ダウニー・Jr.の提案は、J.A.R.V.I.S.声優の報酬を通じてこのカンバーバッチの取り組みに間接的に寄付してはどうかというものだ。マーク・ザッカーバーグは2015年末、自らが保有するFacebook社の株式の99%を将来に渡って慈善事業に寄付していく方針を発表しているので、この提案を拒否する理由は見当たらない。事実、ロバート・ダウニー・Jr.のコメントにザッカーバーグが直接「やりましょう。(This just got real.)」と孫正義ばりにリプライしている。

ポップカルチャーのファンによって盛り上げられ、世界中の感受性に富んだ人達の間で共通言語になった『アイアンマンのJ.A.R.V.I.S.』は、今こうして僕らの生きている時代の中で現実のものとなろうとしている。更に、それに付随してポップカルチャーのファンがリスペクトを贈るベネディクト・カンバーバッチの選択をきっかけに、多数の子どもたちの悲しみが癒える機会が実現しようかという好機にある。

果たしてこの粋な提案が本当に実現するかはわからないが、ポップカルチャー・ファンとして今後の状況を楽しみに見守りたい。

Source:http://comicbook.com/2016/10/14/robert-downey-jr-offers-to-voice-mark-zuckerbergs-iron-man-inspi/
http://wired.jp/2016/01/05/mark-zuckerberg-ai/

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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