リドリー・スコット監督、『ジョーカー』ホアキン・フェニックスを称賛「何でもできてしまう」

リドリー・スコット監督が、2019年の衝撃作『ジョーカー』でタイトルロールを演じたホアキン・フェニックスの演技に賛辞を送っている。
スコット監督とホアキンは、ナポレオン・ボナパルトの伝記映画『Kitbag(原題)』でタッグを組む予定。米Deadlineとの取材で、ナポレオン役にホアキンを起用したきっかけを訊かれたスコット監督は、ホアキンの俳優としての魅力を交えながら、映画『ジョーカー』の名前を挙げた。
「彼(ホアキン)は、自分の怒りを含めるだけの洗練さを備えている方で、まるで“俺よりもこれを上手くやれる年上の賢い男がどこにいるんだ?”と言わんばかりです。シェイクスピア風とも言える。ホアキンは何でもできてしまうんです。
ジョーカーのようなものを彼が演じる時、私がこれまでに見たことのない瞬間が『ジョーカー』には存在する。『ジョーカー』にはバカバカしいような反応も見られます。でもそうしたものは、一概に邪悪だとは言えないでしょう。傷ついた心から生まれたものですから。」
映画『ジョーカー』は、過去にトラウマを持ちながらも大道芸人として日々を生きていた1人の男がジョーカーとして覚醒していくまでを描いた1作。ホアキンは、『ジョーカー』のために約23キロの減量に挑んだと言われている。まさにジョーカーに憑依したかのような渾身のパフォーマンスもあり、ホアキンは、2008年に『ダークナイト』でジョーカーを演じたヒース・レジャーに続き、同役で堂々のアカデミー賞受賞を果たした。
「そうしたものを私も求めているんです」。『Kitbag』で今度はナポレオンに扮することになるホアキンにこう期待を寄せるスコット監督。ジョーカーでホアキンが見せたある種の“限界”を『Kitbag』でも存分に演出していく意向のようだ。「ホアキンが演じるナポレオンはどんな存在になるのか。彼は彼自身の肖像画の画家となり、私もできる限りのベストを尽くして、見守るつもりです。それが私の役目ですから」。
Source: Deadline