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ウディ・アレン監督最新作『リフキンズ・フェスティバル』米予告編 ─ 騒動後初の長編映画、クリストフ・ヴァルツも出演

https://www.youtube.com/watch?v=d11-NLbjT3M

『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』などの巨匠ウディ・アレン監督による最新作『リフキンズ・フェスティバル(原題:Rifkin’s Festival)』の米国版予告編が公開された。本作は2020年9月18日、サン・セバスティアン国際映画祭(スペイン)のオープニング作品としてプレミア上映される。

物語の舞台は、このたびプレミア上映が行われるサン・セバスティアン国際映画祭。とあるアメリカ人の夫婦が映画祭を訪れるも、妻はフランス人の有名映画監督に惹かれはじめ、夫は現地のスペイン人女性と恋に落ちる……。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』を思わせる筋立てだが、大きな違いは、本作の主人公がすでに熟年の夫婦であるところ。より渋みのある人物描写に注目だ。

公開された予告編では、妻が映画監督との逢瀬を重ね、夫が現地の医師らしき女性と出会う様子を見ることができる。「ここに来てから、自分の頭が自分を騙しはじめたんだ。今では全部が疑問なんだよ。自分が求めてるのは何か、自分は何者なのか、この世界にとって自分とは、って」。一方の妻は監督に執心し、「彼と一緒なら、また女性に戻ったように思える」とつぶやく。

“人生は映画のよう。時にはコメディであり、ドラマであり、ロマンスだが、なによりもミステリーだ”。予告編に登場するフレーズは、アレン作品に共通するテーマといえるだろう。夫は「精神科医から、僕は自分を傷つける女性に惹かれるんだって言われたよ」と言い、妻に「あいつと何回寝た?」と尋ねる。「一度も。いや1回…2回だけ」。

映像は、夫がある男性に語りかける場面で締めくくられている。「とても学びの多い経験だ。この数週間、人生を振り返って、自分がひどい決断をしてきたことに気づいた。……それで、全部を聞いたうえで、何か言いたいことは?」

主人公の夫婦を演じるのは、『バウンド』(1996)『フェイス/オフ』(1998)のジーナ・ガーションと、『マンハッタン』(1979)以来アレンと親交のあるウォーレス・ショーン。共演者には『私が、生きる肌』(2011)『ワンダーウーマン』(2017)のエレナ・アナヤ、『グッバイ・ゴダール!』(2017)のルイ・ガレル、『パンズ・ラビリンス』(2006)のセルジ・ロペス、そして『イングロリアス・バスターズ』(2009)『アリータ:バトル・エンジェル』(2019)のクリストフ・ヴァルツという顔ぶれが揃った。

脚本・監督のウディ・アレンは、2017年に性的虐待疑惑が報じられたのち(一貫して本人は否定)、アメリカにて前作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の公開・配信が見送られる、自伝本『Apropos of Nothing』の刊行をめぐってトラブルが起こるなど、いくつもの問題が伝えられてきた。本作『リフキンズ・フェスティバル』は報道後はじめて製作された新作映画となるため、この映画が世界からどのように受け入れられるのかは、アレンのキャリアにおいても、また業界全体のスタンスにおいても大きなポイントとなるだろう。

映画『リフキンズ・フェスティバル(原題:Rifkin’s Festival)』は2020年9月18日、サン・セバスティアン国際映画祭(スペイン)にてプレミア上映。世界各国における続報も待たれる。

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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