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『ローグ・ワン』紆余曲折を経てついに完成!再撮影のキーパーソンには500万ドル以上が支払われる模様

劇場公開まで約2週間と迫った11月30日、映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』がついに完成したようだ。思えば製作決定のニュースから、現場が大パニックに陥ったともいわれる膨大な再撮影、いよいよ公開間近となった現在まで、『ローグ・ワン』は(観客から見えないところで)紆余曲折を経た映画だった。もっとも、紆余曲折を経ない映画なんてそうそうないのだろうが……。

『ローグ・ワン』の完成を報告してくれたのは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』につづいてVFXを担当しているILM社のトッド・バジリ氏だ。

アクバー提督が“IT’S A WRAP!(終わった!)”と宣言しているこのツイートは、ファンの間では言わずと知れた『ジェダイの帰還』の名ゼリフ、“It’s a trap!(罠だ!)”をもじったものだ。

バジリ氏の仕事が「終わった」ということは、『ローグ・ワン』のポスト・プロダクション(編集やVFX関係など、本撮影の終了後に行われる作業)がすべて終了したということだろう。もっとも『ローグ・ワン』の場合、膨大な再撮影も含めてポスト・プロダクションだったわけで、その作業の果てしなさは想像するに余りある。

とはいえ『ローグ・ワン』が公開の2週間以上前に完成したのは、その製作プロセスのハードさを考えると、十分余裕のある結果だといえるだろう。Screenrantによれば『007 スペクター』は試写会の2日前にも完成していなかったようだし、日本映画でいえば、今年話題になった『シン・ゴジラ』も公開ギリギリまで完成しなかったという噂がある。

今はひとまず『ローグ・ワン』に携わったすべてのキャスト・スタッフを全力でねぎらいたい気持ちでいっぱいだ。ちなみに熱心なファンのひとりが、映画の完成を祝した記念ムービーをすでに公開している。

再撮影のキーパーソン、トニー・ギルロイ

『ローグ・ワン』の再撮影では、ギャレス・エドワーズ監督にかわり、脚本を手がけたトニー・ギルロイがロンドンでの撮影を主導するなど大きく活躍したという。ギルロイには『フィクサー』や『ボーン・レガシー』などで監督を務めた経験があり、ギャレス監督の意向を汲みながら『ローグ・ワン』を完成にこぎつけたようだ。そのキーパーソンぶりはメディアにも隠されておらず、音楽を担当したマイケル・ジアッキーノも、彼が重要な話し合いに参加していたことを否定していない。

ハリウッド・レポーター誌が報じるところによると、ギルロイは『ローグ・ワン』で週に20万ドル少なくとも合計500万ドル以上のギャラを受け取ることになるようだ。もっともこの金額は、いわゆる大作映画に有名脚本家が起用される際には珍しくない数字だという。

もっとも、ギルロイに支払われる高額のギャラは『ローグ・ワン』のポスト・プロダクションがいかに膨大だったかを物語っているだろう。そして大量の追加作業と出資を避けなかったところに、ディズニーとルーカスフィルムの『ローグ・ワン』に対する意地がよく現れている。それほどまでにこの映画は絶対に失敗できない作品だったのだ。

映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は2016年12月16日公開。その全貌が明らかになるまであと少しである。

sources: http://screenrant.com/star-wars-rogue-one-post-production-finished/
http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/rogue-one-writer-tony-gilroy-make-millions-reshoots-951119
Eyecatch Image: https://www.youtube.com/watch?v=KmKJ08cUOpM

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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