ジョージ・A・ロメロ幻の未発表映画、『アミューズメント・パーク』日本公開決定 ─『ザ・クレイジーズ』『マーティン』も記念上映へ

『ナイト・ オブ・ザ・リビングデッド』(1968)『ゾンビ』(1978)などのジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手がけた幻の未発表映画『The Amusement Park(原題)』が、『アミューズメント・パーク』として日本初公開となることが決定した。ロメロ史上最も恐ろしい作品だ……!
ロメロによる未発表映画が発見されたのは3年前。4Kレストアが行われた本作で主演を務めるのは、『マーティン/呪われた吸血少年』で知られる俳優、リンカーン・マーゼルだ。主人公の老人が遊園地でごく普通に一日を楽しもうとするも、いつの間にか地獄のような悪夢の渦中にいることに気付くという筋書きだ。アメリカで歳を重ね、苦痛・悲劇・屈辱感と共に混乱や孤独感が増していく老人の姿が描かれる。
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』と『ゾンビ』の間に製作されたという本作はもともと年齢差別や高齢者虐待について世間の認識を高めるため、ルーテル教会が監督に依頼した企画だった。ところが、出来上がった作品は老人の悲惨な状況が容赦なく描かれており、そのあまりにもストレートにアメリカ社会を捉えた内容に依頼者は慄き、封印されていた。ロメロがある意味での教育映画を撮っていたという希少性。ホラーではないが、ロメロの視点で現実を映し出した貴重な作品だ。
本作の公開を記念して、ロメロによる『ザ・クレイジーズ』(1973)『マーティン/呪われた吸血少年』(1977)も劇場公開される。3作品ともに、2021年10月15日より封切りとなる。一般公開に先駆けては、「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション®2021(カリコレ®2021)」内にて、ロメロの命日である7月16日に3作品を上映される予定だ。
『アミューズメント・パーク』『ザ・クレイジーズ』(1973)『マーティン/呪われた吸血少年』は、2021年7月16日にカリコレ®2021にて、10月15日より新宿シネマカリテにてロードショー。