ライアン・レイノルズ、ヒュー・ジャックマンにミュージカルのアドバイスを求めたが「役に立ちませんでした」とさ

『デッドプール』シリーズでおなじみのライアン・レイノルズが、歌唱とダンスを披露したミュージカル映画『スピリテッド』のため、ミュージカル俳優でもある盟友ヒュー・ジャックマンにアドバイスを求めていたことを明かした。The Big Issueにて明かしている。
ライアンが出演した『スピリテッド』は、チャールズ・ディケンズの古典的名作であり、これまで幾度となく映画化されてきた『クリスマス・キャロル』を、現代を舞台にコメディタッチで翻案した一作。ライアン扮するエリートビジネスマン・クリントの日常が、ウィル・フェレル演じるゴーストとの出会いによって引っ掻き回されていく。
これまでミュージカルを経験していないレイノルズは、大の仲良しで知られる“ウルヴァリン役”のヒュー・ジャックマンに歌とダンスのアドバイスを求めたという。『レ・ミゼラブル』(2012)や『グレイテスト・ショーマン』の評価はもちろん、舞台の実績も豊富なヒューならば間違いない、と思いきや……。
「おかしな話ですけど、ヒュー・ジャックマンの助言は役に立ちませんでした。彼はただ、“カウントとビートをよく聴け”って言うんですが、僕のほうは“ビートなんて聴こえない、もう少し具体的に教えてよ!”って。」
上級者のアドバイスも初級者にとってはまるで参考にならない、というまさに好例である。もっともヒューによるアドバイスは、また別のタイミングではライアンの心の支えになることもあるようだ。
「ヒューとコーヒーを飲んでいたら、芸術に携わる上で欠かせないことを彼が思い出させてくれたんです。“とにかく楽しむことだけ覚えておいて、君が楽しんでいたら僕たちも楽しめるから”って。それは僕も自分によく言い聞かせていることです。自分の手に負えないことが起きても──ほとんど毎日がそういうものですが──“これは人生最高のチャンスだ”って自分に言い聞かせていました。実際にそのことはこの作品を超え、人生のいろんな面に及んでいきました。あれはすごく良いアドバイスでしたね。」
ちなみにライアンは、スーパーヒーロー映画などのアクションと、ミュージカル映画のダンスには大きな違いがあると告白。「スーパーヒーロー映画の訓練は20代からやっているので、もう46歳だから自然に演じられるんです。ファイトシーンは直感的にできるし、すぐに覚えられる」といい、ミスもその場でうまく活かせると語るが、「ダンスはひとつの失敗で全部がダメになってしまう」そうだ。
ハードルの高さをひしひしと実感したのだろう、ライアンは「またミュージカル映画をやるかどうかはわからない。やらないんじゃないかな」とコメント。その貴重な機会となった『スピリテッド』はApple TV+にて配信中だ。
▼ライアン・レイノルズ の記事
Text: Yuka Shingai, 稲垣貴俊 / Source: The Big Issue