俳優組合ストライキ突入決定 ─ トム・クルーズ来日、事実上不可能に

全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)と全米映画テレビ製作者協会(AMTPT)間で行われていた契約交渉は同意に至らないまま満了を迎えた。SAG-AFTRAの理事会は現時間2023年7月13日朝、映画・テレビ業界に対するストライキを開始することを全会一致で採決。懸念されていた俳優たちのストライキが14日午前0時1分より行われる。
ストライキ期間中、俳優らは作品の撮影に参加できなくなるほか、作品のインタビュー応対やプレミア出席などいかなる宣伝活動も、SNS投稿を含めて禁止されることとなる。
これに伴って、目立つところでは7月17日予定の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』ジャパンプレミアでのトム・クルーズ、8月2日予定の『バービー』ジャパンプレミアでのマーゴット・ロビーとアメリカ・フェレーラの来日も、現時点で事実上不可能となった。両イベントへの影響については、東和ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース映画より正式な情報が入り次第伝える。ほか、予定されていたあらゆるプレス取材予定も世界的に狂いが生じる。
SAG-AFTRAは、ストリーミングサービスの二次使用料、報酬の引き上げ、人工知能(AI)を通じた画像の不正使用に対する保護策などをめぐってAMTPTと対立。交渉は6月7日より行われていた。
俳優組合側は声明の中で、「組合の最も重要な提案に対するAMTPTの回答は、この業界への我々の多大な貢献を侮辱し、軽視するものであった」と述べた。一方のAMTPT側も声明文で「SAG-AFTRAが交渉を離れることに失望した。これは我々の判断ではなく、組合側によるものだ」「SAG-AFTRAは交渉を続けようとするよりも、この業界に依存して生活している何千もの人々の経済苦を深める方向に我々を向かわせた」と発表。両者間の決定的な溝があらわになっている。
俳優らのストライキが行われるのは1980年以来で、全米脚本家組合と同時のダブル・ストライキとなるのは1960年以来のこと。しばらくの間、ハリウッドのほぼ全てが停止することとなる。
▼ 全米映画俳優組合ストライキの記事
俳優ストライキ、『ハンガー・ゲーム 0』が宣伝を解禁 ─ 暫定合意でレイチェル・ゼグラーらプロモーションを許可される 早速SNS投稿 米俳優ストライキ、2024年まで続く可能性も ─ 再び決裂すれば年内打ち切りの意向 運命の分かれ目 ストライキ中の俳優たち、今年のハロウィンは映画&ドラマキャラのコスプレ厳禁 ─ 組合が注意喚起のガイドライン公開 思わぬ影響が 『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO』2024年6月の米公開は間に合う? ─ 残り8ヶ月、スケジュールは予定通りと米報道 撮影は40%完了 「東京コミコン2023」俳優ストライキでどうなる? ─ 来日OKだが作品トークはナシ、NYコミコンではプライベートトークに変更 影響は大きい
Source:SAG-AFTRA,Deadline,Deadline,Variety