認知神経心理学が解明するストーリーの秘訣『脚本の科学』発売 ─ 『スター・ウォーズ』「ブレイキング・バッド」など人気作検証

映画を観ているとき、観客の心と脳にはいったい何が起きているのか?
認知神経心理学をフル活用し、観客を映画にのめりこませる方法や秘密を解明する一冊『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』(フィルムアート社)が2020年1月26日(火)に発売された。
登場する作品は、世界中の人々を魅了した『スター・ウォーズ』『トイ・ストーリー』のほか、作家性豊かな『ソーシャル・ネットワーク』(2010)『世界にひとつのプレイブック』(2012)、そしてシリーズ完結後も熱狂的支持を集め続ける「ブレイキング・バッド」(2008-2013)といった人気映画&ドラマの数々。具体的事例を検証することで、実際のテクニックや科学的根拠を明らかにする。
現実の情報を知覚する「目」「耳」といった器官の機能から、感情や意思決定と複雑に結びつく脳神経にいたるまで、人間の知覚/認識のプロセス全体を解説することで示されるのは、かつてないアプローチの脚本術。映画だけでなく、小説やマンガ、ビデオゲームなど、あらゆる分野に大きな示唆を与える、ストーリーテリングの原則と戦略に迫る一冊だ。
『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』
目次
イントロダクション あるいは、私は猫を救ってヒーローを旅立たせるべきだろうか?
第1章 情報の流れの科学
あるいは、スキーマとトップダウン型vsボトムアップ型の認知的ショートカット
第2章 メインキャラクターと感情的につながることの科学
あるいは、なぜ私は覚醒剤のディーラーが捕まりはしないか気が気でないのか?
第3章 コントラストの科学
あるいは、なぜ『スター・ウォーズ』の冒頭で巨大な宇宙船が小さな宇宙船を追うのか?
第4章 状況説明の科学
あるいは、インフォダンプの何が問題か?
第5章 原因と結果の科学
あるいは、パッカーズは本当に私がチーズヘッドをかぶらなかったから負けたのか?
第6章 共同注意の科学
あるいは、もし木が森の中で倒れる脚本を書けば、読者は途中で眠ってしまう。これで脚本を書いたことになるのだろうか?
第7章 葛藤の科学
あるいは、人々が助け合って仲良くやっていくのを二時間見ることの何が悪いのか?
第8章 想像力の科学
あるいは、側頭葉と創造的思考・創造性の諸段階
第9章 構成の問題
あるいは、脚本が売れるためにはいくつの幕が必要か?
第10章 神経科学で読みとく『スター・ウォーズ』
あるいは、ジョージ・ルーカスはいかにやり遂げたか
エピローグ
あるいは、前進しクリエイトせよ
訳者あとがき 石原陽一郎
参考文献・資料
書名 | 『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』 |
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著者 | ポール・ジョセフ・ガリーノ+コニー・シアーズ |
訳・解説 | 石原陽一郎 |
発売日 | 2021年01月26日(火) |
判型/ページ数 | A5判・並製/248頁 |
価格 | 本体 2,400円+税 |
ISBN | 978-4-8459-1925-3 |
出版社 | フィルムアート社 |