3時間超えの映画は長すぎる? ─ 新作が3時間32分のスコセッシ、「5時間座ってテレビを見る人だっている」「シネマに敬意を」

映画は、何時間からが“長すぎる”と感じるだろうか。一括りに定義することは難しく、各人の体感に拠るものだが、3時間を超えてくる映画は一般的に長尺として分類されるだろう。
2022年以降に公開されたハリウッド映画で3時間を超えたのは、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(3時間12分)やクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー(原題)』(3時間1分)など。大ヒットを記録したインド映画『RRR』も3時間2分だ。
2023年10月20日には、これらの大作映画の上映時間を優に超えるハリウッド作品が公開を迎える。マーティン・スコセッシ監督最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』だ。上映時間はなんと3時間32分。インドの英語紙Hindustan Timesではスコセッシ監督自らが、この上映時間が長すぎると感じる人々に対し、メッセージを送っている。
「3時間の映画じゃないかとよく言われますが、テレビの前で5時間座って観ることができる人もいるわけです。3時間半、劇場で座って観られる人もたくさんいます。舞台上で本物の役者がいたら、立ち上がって歩き回ることはできないでしょう。シネマに、少しばかりの敬意を払っていただきたいです。」
本作は、ジャーナリストのデイヴィッド・グランによるノンフィクション小説『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』を原作としたクライム・サスペンス。450ページを超える原作(邦訳版)では、1920年代のオクラホマ州を舞台に、石油の発掘により巨万の富を得たオセージ族に起きた連続殺人事件の真相が描かれている。
米Appleが配給を担当する本作は、10月20日に劇場公開を行ったのち、Apple TV+でのストリーミング配信が開始するという段取り。配信開始日は現時点で発表されていない。スコセッシ監督は『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が「大きいスクリーンで観られるべき作品」「没入するには時間を取って観るべきです」と映画館での鑑賞を勧めている。
なお、本作を一足早く鑑賞したというスコセッシ監督の盟友、フランシス・フォード・コッポラは、「あらゆるレベルで成功を収めている」と絶賛している。
この投稿をInstagramで見る
▼『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』 の記事
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』一部映画館が途中休憩を独自導入、配給側「規約違反」と上映取りやめを要請 編集者も「違反行為」と断言 【ネタバレ】『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』ラストの演出、実はスコセッシのアイデアではなかった ─ 共演者も思わず涙の裏話が判明 そうだったのか…… 「最近は無駄に長い映画が多すぎる」「『ゴッドファーザー PART II』や『七人の侍』のようなタイトな3時間半であるべき」 ─ 『ダウンサイズ』監督が持論 『キラーズ・オブ〜』を意識? 【ネタバレ】『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』ラスト解説 ─ エンディングの驚くべき演出、浮き彫りになるアメリカの闇 実際には何が アドリブ連発のディカプリオにデ・ニーロ&スコセッシがイライラ?『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』撮影中に「顔を見合わせた」 ちょっと多すぎたか
Source: Hindustan Times