「クイーンズ・ギャンビット」監督とアニャ・テイラー=ジョイが再タッグへ ─ 『マルタの鷹』映像化も

孤高の天才チェスプレイヤーを描いたNetflixオリジナルシリーズ「クイーンズ・ギャンビット」で一世を風靡し、ちょっとしたチェス・ブームも巻き起こしたスコット・フランクのもと、3本の新企画が動き出す。
1作はSF小説の映像化、1作は伝説的ハードボイルド小説『マルタの鷹』に関する作品で、もう1作は「クイーンズ・ギャンビット」アニャ・テイラー=ジョイとの再タッグ作だ。フランクがPodcastで語った内容を、米The Playlistなどが伝えた。
『The Sparrow』映像化
はじめに取り掛かるとされるのが、メアリ・ドリア・ラッセルによる1996年のSF小説『The Sparrow(原題)』の映像化で、監督はHBO「チェルノブイリ」(2019)ヨハン・レンク。フランクは監督を務めるわけではないようなので、製作に参画するものと思われる。
『マルタの鷹』サム・スペードのドラマシリーズ
2本目に挙げられたのは、1930年に刊行されたダシール・ハメットの探偵小説『マルタの鷹』に登場する主人公サム・スペードを描くシリーズ。フランクはこの度、サム・スペードのキャラクター権利を獲得したと報告している。
『マルタの鷹』はハードボイルド小説の元祖といわれており、レイモンド・チャンドラー(フィリップ・マーロウ シリーズで知られる)ら数多くのハードボイルド作家に多大な影響を与えた。1941年の映画版ではハンフリー・ボガートが演じている。
ドラマは全6話を予定し、フランス南部の小さな町で暮らす、60代としてのスペードの晩年期を描くということだ。スペードは問題を抱えたワイナリーのオーナーである女性を助けるために赴き、そこで女性と恋に落ちる。しかし女性が癌で亡くなってしまい、ワイナリーを受け継ぐことになった、という設定になるようだ。サム・スペードの娘や、小説からブリジッド・オショーネシーも登場するという。
主人公サム・スペード役は未定だが、フランクはクライヴ・オーウェンを望んでいるという。『キング・アーサー』(2004)『トゥモロー・ワールド』(2006)などで知られる、イギリスの俳優だ。
「クイーンズ・ギャンビット」アニャ・テイラー=ジョイと再タッグ作
さらなる企画は「クイーンズ・ギャンビット」主演アニャ・テイラー=ジョイとの再タッグ作で、同作のクルーも投入するつもりだ。こちらはウラジーミル・ナボコフの小説『カメラ・オブスクーラ』の映像化。1932年にロシア語で発表され、後にフランス語と英語に翻訳された。映画女優を目指す少女マグダをめぐる情事を描く作品で、1969年に映画化され、主人公マグダ役をアンナ・カリーナが演じている。
この度の映像化を監督は「ノワール映画」「劇中劇」とのキーワードで説明している。「とても汚らわしく、素晴らしいスリラーにします」。
Source:The Playlist,/Film