サンディエゴ・コミコン2023、マーベル、ルーカスフィルム、Netflixなど大手が続々と見送り ─ ストライキの懸念でイベント参加に不確実性

ポップカルチャーの祭典、米サンディエゴコミコンに異常事態だ。今年2023年の開催では、目玉となるマーベル・スタジオ、ルーカスフィルム、ユニバーサル・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズ、Netflix、HBOが出展を見送ることとなった。米DeadlineやVarietyが伝えている。
現在ハリウッドで進行中のストライキが懸念された。既に行われている全米脚本家組合のストライキに加え、役者らが所属する労働組合SAG-AFTRAも映画製作者協会AMPTPとの契約が6月30日に更新を迎えることで交渉中。折り合いがつかない場合は7月1日より役者らもストライキに入る可能性がある。
その場合、7月20〜23日に開催されるコミコンに役者や脚本家が登壇できない。すでに今夏公開のハリウッド映画のいくつかは、7月以降に予定していたプレスイベントを6月に前倒し、ストライキによる開催中止のリスクを事前に回避している。
サンディエゴ・コミコンは例年、大手スタジオがこぞってパネルイベントを開催したりブースを出展したりして、新作企画のお披露目の場として活用されている。今年は新企画の発表や予告編解禁などのニュースは多く期待できそうにない。
現時点でペンディングになっているのは、『ブルー・ビートル』や『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム』といった旧体制最後のDC映画のプロモーションを強化したいワーナー・ブラザース。ほか、パラマウント・ピクチャーズは新作アニメ映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』のパネルイベントを予定しているという。ただし同作はストライキを懸念してプレスイベントを6月に移動させているはずで、どのようなパネルイベントを予定しているのかはわからない。また、Amazonはドラマ「ホイール・オブ・タイム」のシーズン2や「ザ・ボーイズ」のスピンオフ「ジェン・ブイ」に関する発表について検討中だという。
サンディエゴ・コミコンはコロナ禍を受けて2020〜2021年のリアル開催を見送り、2022年にようやく再始動していた。新たな受難となったが、広報担当のデヴィッド・グランザー氏は、ストライキが全ての関係者にとって有益な形で速やかに終結することを願いつつ、「私たちは夏のイベントを例年通り楽しく、教育的で、祝祭的なものとなるよう、熱心に取り組んでまいります」と米Varietyにコメントしている。
Source:Deadline ,Variety