会員登録

Search

『シャン・チー』アボミネーション&ウォンの再登場、マーベル社長が認める

シャン・チー/テン・リングスの伝説
©Marvel Studios 2021

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新作映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』をめぐる仮説が、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギによって早くも認められた。予告編のラスト、地下闘技場と思しき場所に登場したのは、やはり『インクレディブル・ハルク』(2008)のヴィラン・アボミネーション、そしてドクター・ストレンジの相棒ウォン(ベネディクト・ウォン)だったのである。

まずは、改めて予告編を確認してみよう。シャン・チー(シム・リウ)と友人ケイティ(オークワフィナ)が訪れた闘技場のリングの中にいるのがアボミネーション、魔法陣で対抗しているのがウォンである。

Rotten Tomatoesのインタビューにて、ファイギ社長はファンの仮説に言及。「“こっちはアボミネーションに見える、戦っているのはウォンに見える”、と言われていますよね。なぜそう見えるのかといえば、まさに戦っているのはアボミネーションとウォンだからですよ」。これまで発表されていなかったカムバックを、さらりと発表してみせた。

「10年以上も出ていなかったキャラクターを再登場させるのは面白いし、ファンのみなさんが予告編のおまけで気づいて、受け入れてくださるのはもっと面白い。これが今のMCUの楽しいところで、シャン・チーのような新ヒーローをMCUの広い世界に登場させることもできれば、『テン・リングスの伝説』というサブタイトルでMCUの最初期に繋げ直すこともできるわけです。」

テン・リングスは『アイアンマン』(2008)でトニー・スターク/アイアンマンを拉致した組織で、のちに事実上の壊滅状態となったが、その後も残党は生き延びていたという設定。リーダーのマンダリンは『アイアンマン3』(2013)に登場したものの、これは本物のマンダリンではなかった。約8年を経て、『シャン・チー』ではいよいよ本人が初登場となり、トニー・レオンが演じる。ファイギ社長はレオンの出演について「夢が叶ったよう。現代最高の俳優だし、彼の素晴らしい仕事ぶりを知らないような、新しいファン層にも観てもらえるのが楽しみ」と語った。

ところで『シャン・チー』は、テン・リングスやマンダリンの存在によってMCUの過去に接続しながら、アボミネーションの再登場によって未来にも繋がる可能性が高まってきた。『インクレディブル・ハルク』に登場したアボミネーション/エミル・ブロンスキー(ティム・ロス)は、2022年配信のドラマ「シーハルク(原題)」に再登場することが判明済み。今後のMCUにおいて、アボミネーションが予想以上に大きな役割を担うことも考えられる。

ただし、もともとアボミネーションとは、兵士エミル・ブロンスキーが超人血清とブルース・バナーの血液サンプルの投与によって変貌した姿。科学実験で誕生したヴィランである以上、必ずしも唯一無二の存在とは言えないため、『シャン・チー』のアボミネーションがエミルと同一人物とは必ずしも言い切れないだろう。『インクレディブル・ハルク』からは、劇中でも少なくとも10年以上の月日が流れているはずだからだ。

映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は2021年9月3日(金)全国公開。

Source: Rotten Tomatoes

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly