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『シャン・チー』トニー・レオン、実父の影響で父親役演じたくなかった ─「ウェンウーは家族を深く愛している人」

シャン・チー/テン・リングスの伝説
©Marvel Studios 2021

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』では、『アイアンマン』(2008)より影を潜めてきた犯罪組織、テン・リングスのリーダーであるウェンウーがヴィランとして登場する。シャン・チーを組織の陰謀に巻き込もうとする最凶の父親だが、演じた俳優いわく、彼は家族を深く愛しすぎているだけなのかもしれないという。

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、最強ゆえに戦うことを禁じたヒーロー、シャン・チーを主人公にした作品。主人公の父親であるウェンウーは、息子を最強の暗殺者として厳しく育ててきたが、シャン・チーは優しすぎる性格から自ら戦うことを禁じ、後継者となる運命から逃げ出してしまう。しかしウェンウーは、そんなシャンチーを伝説の腕輪を操って世界を脅かすという組織の陰謀に巻き込もうとしていく。

悪に染まった父親役を演じたのは、香港映画界を代表する俳優トニー・レオン。MCUに初参戦した名優は、父親という役柄を演じることはこれまでほとんどなかった。特に“駄目な父親役”は完全に避けていたようだ。その理由についてレオンは、「駄目な父親役を依頼してきた方が実際にいたのですが、父が僕にした仕打ちを思い出したくないので、断りました」と米GQにて説明している。レオンは少年時代に両親が離婚し、母子家庭で育った。幼い息子のもとから去った実の父親がどんな人物像だったのかはここでは語られていないが、レオンは孤独な子供時代を過ごしたことで、読者や自転車、美術館などひとりの趣味を持つようになったのだという。

「人と距離を置くような子供時代を過ごしてきたからかもしれません。それ以来、僕はひとりでいるときに自分が心から楽しめることを見つけるようになりました。人と一緒にいるだけで幸せを感じられるとは限りませんよね?」

それにもかかわらず、本作で息子を悪に巻き込もうとする父親役を演じたのはなぜなのか。それはウェンウーには“悪に染まった父”として以外の魅力もあったからのようだ。「スーパーパワーを持った人が現実世界にいることは想像できませんでした。ただ、彼のように負け犬で、父親失格の人であれば想像できます」「彼は悪い父親でもあるが、僕には家族を深く愛している人としか考えられないんです。彼は自分を愛することを知らないんだと思います」。

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、2021年9月3日より公開中。

Source:GQ

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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